かぜはく電脳曼荼羅

玄秘学、食文化、ゲーム、生と死に非常な関心があります。

かぜはくのテイスティングノート―パラケル寿司篇―

2013 / ヴィラ・アンティノリ / アンティノリ

 


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 イタリアでワインといえば、僕はアンティノリを無視したらあかんとおもうのよね。

何しろ十四世紀からずっとワイン作ってる貴族で、ルネサンスやらボルジアやらと言うてる時代にはもうイタリアでワインやってるわけですよ。

 

君たち、ルネサンス好きかい?

うん!大好きさ!

 

ルネサンスの何がいいって西欧州の暗黒時代からの脱却と、文化の再生が古代ローマギリシャの古典文化への回顧によってなされたということだよね。そうした失われし文化の庇護者が誰であったかというと、翻訳家や収集家という意味でもイスラム文化圏の影響が非常に強かった。

中世あたりの暗黒時代の文化的停滞において言えば、その原因の一翼を担うのは、紛れもなくキリスト教であった。文化の破壊者としての宗教もあれば、文化の生まれいずるヨウ素としての宗教もある。まことに宗教というのは神聖にして邪悪なる側面を持つ、言うなれば人間そのものを思想にしたものと言えるだろう。

 

で話をワインに戻すんだけど。

 

アンティノリは普通にイタリアの品種使ってもハイレベルなんだが、スーパータスカンがやはり指折りだろうね。

 

スーパータスカンっていうのは、一言でいうと法からの逸脱者です。

イタリア固有品種だけで作らないからイタリアのワイン法ではテーブルワインクラスだけど、品質では他の追随を許さぬよ?みたいなワインです。

お値段もテーブルワイン???みたいな感じにはなる。

サッシカイアとかソライアなんかが有名。

 

さてテイスティングしてみよう!

実は今回のヴィラ・アンティノリもさんぜんえんでありながらスーパータスカンなのだ!!!

 主要品種はサンジョベーゼだが、カベルネ・ソーヴィニヨンメルロー、シラーも混ぜられている!

 

 

まず嗅いでみると凡庸という印象は拭えない。

 

一口テイスティングしてみる。

 

タンニンははっきりと感じられるが、果実味はさほどでもなく、お前それでもスーパータスカンの端くれかよ?となる。

 

デキャンタージュしてみよう。

 

香りがまずよくなった!

豊かな、イタリアらしい果実味を予感させる香り!シルキーなタンニンの良さはそのままに、それが果実味と調和して途端にレベル高くなった。


アンティノリやるじゃん。


余韻も豊かな果実味が反復するようで、実に良い。


しかし3000円のスーパータスカンでこれかー。

なかなかコスパいいじゃん。
飲むほどに魅力的な味わい。これはよい。

 

次も何かアンティノリで選んでみよう。

 

 

タイトルについては、この記事を書いてる隣でふぁてごーの無料ガチャを回したじろーがパラケルススを引いて、「パラケル寿司……」と漏らしたからです。

ルネサンスだね?

かぜはくのテイスティングノート―きええ篇―

2014 / コートデュローヌ ギィ・ルージュ / タルデューローラン


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 じろーちゃんがフランスパン焼いてくれた!

あとローストビーフも作ってくれた!

我々我慢がでけぬ夫婦なので、アルミホイルで包む時間が極端に短くすげえ赤く見えるけどこれはローストビーフなんだ!俺様がローストビーフつったらローストビーフなんだ!

 

フランスパンにトマトとキュウリとかキノコタマネギを載せたりしてピンチョス的な、タパス的なものを。

しかし実際にうまいのはパンであり、一人一本のフランスパンでは足りねえということになり、こんな時僕がイエスだったらなーという気持ちになった。

 

凝縮感のある果実味の香り。スパイシーなあたりと、豊かなタンニン。


口の中で味を探すと、ローヌらしい果実味の中に複雑みを見出すことが出来る。

 

スペインのセレステクリアンサのような凝縮感に近い。タンニンの主張はあり、ボルドー的。豊かなローヌの果実味とボルドー的なタンニンのバランスがとてもよい。


温度と抜栓からの時間、非常に重要で抜いてから三十分~一時間くらいほっとくと果実味がより豊かに感じられる。そういうタイプのワインだと思う。

 

もっと言うと一日経ったりするといいのかも知れんが、前述の通り我々は我慢がでけぬのでその日のうちに全部飲んだ。

 

所で表題のきええとは、タルデューローラン氏がローヌ地方の新進きええの(あくまでフランスの感覚での新進きええ)ネゴシアン(出来たワインを卸売りする人)だからです。

 

ネゴシアンの対義語としては、前回のエスカラヴェイユ作ってるとこみたいな、ドメーヌというのが挙げられる。これは何かと一言で説明すると、蔵元です。判りやすいね。

 

どっちがいいかというのは一概には言いきれないのだが、基本的にはドメーヌものの方がクオリティは高い。

 

ただタルデューローラン氏がきええな所は、その一般論に当てはまらないところというわけです。なんと簡潔で判りやすい説明か!

 

きええ!てんもんあんてんもんあん!

 

サベラージュ

 

浴衣着て出かけようぜ!となったのだが、昼まで寝ていたために出かけ先はちょっとそのへんまでということになった休日であった。

 

じろーは浴衣だけど僕は浴衣というの実は持っておらず、絽のやつです。紫でスケスケのため、以前ジョニーさんに「えらいいちびっとんのう!」みたいな「オラオラ系じゃのう!」みたいなこと言われた記憶がある。

上品やろ!何言うとんや!高貴な色やろが!

 

 

普通の普段通りの買い物をするなどしていたら大雨に見舞われ、帰って酒でも飲むかとなった。

 

しかしその前に食いたかったのでかき氷を行った。うんうん、インスタばえ(最近覚えたわかものことば)するな!


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 今日の飯は手羽元のからあげ!無限に手羽元があるのでUnlimited TEBAMOTO worksです。

 

サベラージュというやつの練習をした。

どういうのかと言うと、スパークリングワインとかシャンパンとかの首のところを刃物で切り飛ばすという豪快な抜栓方なのだ!!!

やり方はとっても簡単!

 

  1. キャップシールとか針金とかを取っ払う!
  2. スパークリングワインの瓶をよく観察し、縦に走る継ぎ目を探す!
  3. その継ぎ目の上をナイフとか包丁を滑らせ、瓶の首の出っ張った部分に当てる!
  4. ちんっ ぽーん

 

結果的にじろーとぼくがスパークリングワインまみれになり、浴衣と着物が濡れたので洗濯した。


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気を抜いたら写真が横向きになった。おかしい。これは僕のせいではないのでは?悪質なコンピュータ・ウイルスの仕業なのではないだろうか?あるいは天狗?天狗じゃ!天狗の仕業じゃ!

うわさでは天狗はすんこを味ぽんで食うらしいぞ!

 

良い子も悪い子も真似していいけど、場合によっては切り飛ばした栓がぶっとんでいって人に当たると防御力の低いやつは死ぬかもしれんから充分注意するように。

あと包丁でやる場合は間違っても刃を使わないようにな!

僕は肉たべるときのナイフでやったので、つまり厚さのある金属の板ならなんでもできるということになる。

 

 

もいっぱつサベラージュ!今度はシードル。別に圧がかかってりゃワインである必要はなく、ビールでもなんでもできる。

 

さっきは家の中でやって勢いよくぶっ飛び、えらいことになったのでベランダで。

 

コツを掴んだぜ!

瓶の首に当たってもそこで勢いを殺さず、そのまま振り抜くとよさそう。

 

一滴も零さずにいけたのは多分圧が低いからかな?


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 シードルにりんごで出来た氷を投入!

やみーです。

 

今日はテイスティングよりサベラージュがメインなので!!!忘れてたわけじゃないからね。

 

 

 

 

 

ほんとだぞ?

 

かぜはくのテイスティングノート―空を仰げ。地を這え。お前の見上げる太陽の輝きが余である篇―

2013 /  ラストールージュ / ドメーヌエスカラヴェイユ

 

また写真撮るの忘れたんだけどね。


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よってこれはうちの猫です。

 

本来ここにあるはずだった写真、つまりはワインのラベル、エチケットにはふんころがしが描かれている。つまりエスカラヴェイユとはスカラベのことです。

 

褒美をやろう。光なき者!

 

別にドメーヌエスカラヴェイユがファラオというわけではなく、18世紀くらいまでこのラストー村では修道院がワイン造りを取り仕切ったりしておったわけです。

 

ビールにもそういうのがあるよね。修道院ビール、アビィ・ビールというやつです。わかりやすくいうと、シメイとかです。

 

で、その修道士らのことをふんころがしに例えて「エスカラヴェ」と呼んでたらしい。

 

 そこで幕末トランスフォームでござるよ。

敵を振り切って無事生還。WAR WAR 争いは STOP IT というわけでござるな。

 

そうしてその流れを組むドメーヌエスカラヴェイユは修道士をRESPECTして名前に取り入れたというわけでござるな。

 

 

 

ところで1900円で村の名前ついてんのやばくない?

 

なぜかっつーとラストー村というAOCは超まじ最近になって昇格して出来たAOCだからです。

 

テロワールとしてはグルナッシュを使った血管に気合いの入ってる力強いワインが出来たりします。


香りは古樹らしい独特の風味があり、それでいて果実味を予感させる香り。


飲んでみると甘味の果実味ではなくどっしりとした果実味を感じられる。


充分空気と温度を与えると重みと果実味を両立したワインへと変わる。


なかなかよい味わいだ。ローヌらしい果実味と力強さの表現。


グリセリンもかなり強い。温度が上がると徐々に甘みも出てくる。この辺が一番おいしく味わえる点かな。

 

グルナッシュの独特の土臭い甘味も出てくる。お、おいしいーーー。

これダースであっても全然飲むよね。


2000円までだとここまでクオリティあるのもなかなかだなー。

 

安いし果実味も充分。その果実味も甘いだけでなく骨格もあり、グルナッシュらしさも全面に出てくる。

 

果実味系だと南フランスのヴィルマジューやスペインのグランサングレデトロなど、コスパも鑑みてのおすすめがいっぱいあるのだが、これもかなり上位に位置するね。

 

つまりうまいってことです。

かぜはくのテイスティングノート―グラビジャ篇―

2015 / カイケンウルトラカベルネソーヴィニヨン / モンテス

 

あっまた写真撮り忘れてる!!!

しょうがないからかわいい猫の写真でも貼っておこう。


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じろーと二人でこの手をくんくんするなどしていた。

 

 


深い深いガーネット。凄まじいタンニンを予感させる香り。ビターなチョコレートのような香りも漂う。

 

口に含む。黒色果実!たっぷりな、非常な、お値段からは考えられない果実味。おいくら万円かというと二千五百円万円です。

 

口にまとわりつくほどのタンニン。樽香。スパイシーさのある後味もあるが、タンニンが強烈で味を探すのが難しい。


カベルネ・ソーヴィニヨンのエグみも不快でない程度にあるにはあるのだが、そのエグみがまたこのワインの重みを表現している。


酸味なども感じられるが、特筆すべきはその重さ。重さをして三千円までのワインでは間違いなく頂点に君臨するに違いない。

 

しかしてこの完全にどうかしている重さは、重すぎて飲み疲れする人も少なくないだろう。

 

これ飲んだあとに歯を磨いたら真っ黒い何かが口から出てくるくらい濃い。

 

 

最近Amazonプライムで酒飲みながら映画を見るなどしている。

この日は犬神家の一族(すけきよ)、サプライズ(一家をどうぶつのマスクを付けた一団がSATSUGAIしていくのだが、若いねーちゃんが一人で皆殺しにする映画)、富江なんかを見ました。

富江のテーマが不安定でよかった。 

 

今のとこ見た中では古い方のベン・ハー羅生門、300なんかが面白かったです。

かぜはくのテイスティングノート―ヒレカツうまいぜ篇―

2014/ゲヴェルツトラミネール/トリンバック


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 白のグラスってうちないんだよね。何故かって飲まないから。使わないから。でも今日は白。

なんでかって機会があって飲んだらうまかったからです。

 

 

色は透明感のあるレモンイエロー。

香りからはライチのような果実の香り。瑞々しさを予感させる。


飲み口は予感していた瑞々しいライチ。

口に含むとスパイシーさが訪れる。

多少温度が上がるとよりスパイシーさが強調される。

ゲヴェルツトラミネール自体がスパイシーなトラミネールという意味もあり、中間から余韻にかけてあるスパイシーさが特徴。それがもう一杯飲ませたくする構造のあるワイン。


辛口ではあるが果実味によって少し甘くも感じる。


しかしあめえ!!っていう甘さではなく、ほんのりと感じる、飲みやすさとしての甘さ。

 

時間をかけると余韻に酸味が増し、それでいてゲヴェルツトラミネールのスパイス感と相まってまろやかな、上品なトリンバックらしい酸味となる。


うまい。

 


揚げ物なんかにも合わせられるし、魚の香草焼きにもばっちり。

 

 

それよりじろーちゃんの作ったヒレカツが美味すぎて死ぬかと思った。


トンカツ屋とかいけなくなるほどうまい。衣がざくざくで、それでいて肉はめっちゃ柔らかく、突如訪れたうまみの大洪水の上をワインという名のノアの方舟で旅をするという幸せ……。


我々の方舟に載せたるものこそが幸せなのだ。それらの幸せはあらたなる大地を見つけ、やがてまた別の幸福という命を芽吹かせるのだ……。

 

ノアの方舟の材料を聞いてみると、「塩と胡椒を衣に含ませたのだ。しかもただの塩ではない。“あじしお”をだ……」と答えた。


只者ではない。あじしおで人々を導く飯屋……もといメシアに違いない。

 

じろーちゃんは「一日人間が三食ご飯食べるとしたら、三回も簡単に幸せになれるチャンスがあんのやぞ!!!」と言っており、その機会を全く損失せずにやっているの、まじですごく、幸せをナチュラルに生んでおり多くの人間は彼女のごとく、幸せを享受することに素直になると幸せの係数(エンゲル係数とも言う)が上がると思う。