かぜはく電脳曼荼羅

玄秘学、食文化、ゲーム、生と死に非常な関心があります。

FF10 オカルトとしてのエボン密教

今やっても案外面白いぞ。

 

https://m.youtube.com/watch?v=au1ARcx-PTU&feature=youtu.be

 

まさか令和になってまでPS2を起動するとはな……とぼそっと言ったらじろーに「前にも付けてたでしょ(日常的にスーファミしてる奴が何言うてんねんという言外の圧)」と言われた。

 

たしかに!!!

 

前回FF10はミヘンセッション終了後、ジョゼ寺院まで行った。

 

今回はジョゼ寺院を攻略していくぞ。

入口でイサールとかいうちょんまげに出会う。礼儀正しい長男イサールと飄々としたマローダの対比、いいよね……。

 

いわく、召喚士がいろんなとこでいくえ不明になってるらしい。

 

寺院のパズルゲーはわりと好きなんだよな。

この閃きと施行で謎を明かしていく感じ。

これこうするとこうなるから……これをこうするとどうなんのかな?

なるほどこうなるということは別のパターンでは?みたいな思考が楽しい。

 

ジョゼ寺院は電気のスフィアを用いてその辺の壁に空いてる穴(ビリヌス)に通電(エレクト)らせて進んでいく。

この通電(エレクト)らせるっていうのは昔くくさまが言ってたやつな。

 

中の広間まで行くと、梵字めいたエボン経典文字が浮かんでいる。例えるなら「允」という時の頭のムを目玉にして、両手を生やしたような表意文字。巨大な目の下に手足が生えたのは、明らかに人間を象形している。

ちなみにこれはエボン教の信仰するエボンを意味している。

 

さて、こういった表意文字の特徴は、文字を見れば上記のように伝えたいことが判るというものだが、この世界スピラで使われる基本的な文字、スピラ文字は表音文字だ。

古代エジプトでいう神聖文字(ヒエログリフ)、神官文字(ヒエラティック)、民衆文字(デモティック)のように、スピラでも使う文字は分けられているというわけだ。

ちなみにすんこくんが使う文字は卑猥文字(ドエログリフ)と言われている。これが言いたかっただけ。

 

ところでなぜ使う文字を分ける必要があるのか?

今一度神聖文字の例を挙げるなら、それは聖なるものと俗なるものの区別の為であると言えるだろう。

神聖文字は聖なるものについて記すため、専ら神殿やそれに類するとされた王の墓などに使われた。

みだりに使用することを防ぐため、習得は制限され、書くことはおろか、読むことも(文法的に)難しかった。

 

話をFF10に戻すと、エボン経典文字は神聖文字と同じく使用を制限された、使用者の少ない聖なる文字と言える。

これと別にスピラ文字があるのは、単純にこのスピラ文字がデモティックと同じように平易であるからだけではない。

エボン経典文字は寺院の試練の間やエボン教に関わるごく限られた場所でしか見られず、非常に限定的な用途で使われる文字だ。

当然試練の間は召喚士とガード以外は入れない。そして召喚士たちは試練の間を超えてエボン経典文字を目にする――エボン経典文字の限定的な書記者となる――が、結局のところ召喚士は死ぬために旅をしているので、エボン経典文字は使用者を増やさない秘された文字となっている。召喚士を守るために死ぬガードも同様だ。

 

この宗教は、何かを隠している。

 

ボン教の言う召喚士、祈り子、寺院、シンなどの秘されたる教義に関わる物事が、合理的に噛み合いすぎている。

それでいて、経典があって宗教者全てに教えが開かれている訳ではない。

機械をタブー視して、使用を禁じることを、エボン右翼のワッカは「エボンの教え」だと言う。

なるほど、エボン教というのは全ての信者を遍く救うような、救済を目的とした宗教ではないようだ。

そして教義もいまいちあるようでない。

崇拝の対象もはっきりしない。エボンのことを崇拝しているようにも見えるが、その崇拝についても秘されている。あるいは荒御魂としてのシンを祀るものか。

 

ボン教は、密教だ。

しかしながら宗教としては要素が貧弱だ。経典もない、崇拝の対象もない、教義も弱い。

あるのは徹底的に秘された儀礼だ。これこそがエボン教の本質だ。

 

ボン教の寺院というのは、単なる宗教施設というよりは、護摩壇めいたものだと感じた。

 

何故かというと、護摩について各位語源を調べられたし。

 

護摩壇は必要であるから築かれる。

護摩によって得られるものが必要な場合にのみ、宗教と宗教儀礼がリンクし、目的の為の手段として護摩壇という儀礼の為の装置が作られるのだ。

 

ボン教ではこの護摩壇に焚べる供物が召喚士というわけだね。

 

そういうことを考えながら至る所をビリビリさせたりして進んでいった。

 

途中、でかいビリついた穴にま、ええか落としたれ!という気持ちでスフィアを豪華に二つつけた台座を落としたりした際、急に足場が出来たりしてはーなるほどねという気持ちになった。こういうのが面白いけど、ティーダくん足ビリビリしないの?

 

祈り子の間では召喚獣イクシオンを召喚できるようになった。

 

思い出される青春の日々、まぼにぎの火山周辺で出てくるイクシオンを意味もなく狩り続けたあの日々……。結局イクシオンって世界観のフレーバー以外に存在理由あったのだろうか。謎である。

 

ドナとバルテロ、仲良しでかわいい。

 

川でゾウに乗ってたらアルベド族が襲撃してきて、ユウナが攫われる。

僕はこのタイミングで風呂に入ったのだが、風呂から戻ってきた時にじろーが「この人ら水の中で君のこと待ってはったで。息継ぎもせずに」と言ったので、僕は

「こいつらはエラ呼吸だから大丈夫だよ!」と言った。

ティーダとエボン右翼とリュックだけエラで呼吸してるよね?

 

サクッと倒してリュック加入!

エボン右翼、蛇蝎の如くアルベド族を嫌ってるのにリュックの正体に気づかない。ナンデ?

 

そんなわけでリュックを伴って次回グアドサラムへ。

 

ところで、何時でも死者に会える世界ってヤバくない?

大江健三郎先生だったら絶対に勃起してるよね。

FF10やりました

つい先日キラーさんとすんこくんがうちに来た。

何する?ってなったのでFF10をすることになった。

 

オープニングでother worldが流れた時、幼少時の記憶がわっと蘇って来て、唐突に理解した。

この曲は主人公ティーダ君が親父であるジェクトを乗り越えるための曲だ。

居なくなってしまった伝説的プレイヤー、偉大なスター選手ジェクトの後釜としてブリッツ・チーム「ザナルカンド・エイブス」でエースを任されるティーダ君は、絶対にオープニングのあの試合で親父を越えることを目的にしたはずだ。

FIGHT!!FIGHT!!FIGHT!!とがなるデスボイスがこの先のティーダくんの行く末――やがて父親を超えるとき――を想起させる。

 

お父さんは、割と君のことを考えているんだよ。

 

 

 

ネミテアで人気なのはもちろんワッカです。

 

初プレイだった小学生の頃は僕はワッカのことは純粋に嫌いではなかった。スポーツマンだし、兄貴分的な雰囲気もあるし、主人公の事を助けてくれるし……。

 

しかし今見ると、こいつ蒙昧なタイプの宗教者で差別主義者でもあり、自分の常識の域を越えようとする時、思考停止してしまうダメな大人だった。

俺は仕事一筋で生きていくんだ!!とか言いながら夢を諦めきれておれず、ズルズルたま遊びしてるし。

 

作中でユウナちゃんにも「もうやめようよ。アルベド族だって真剣にやってるし、その気持ちは私たちと変わらないよ」と言われているのだが、それに対するワッカの返事は「へっ わーったよ!」である。

およそ尊敬出来る大人の態度ではない。

 

ミヘンセッションにおけるエボン教の姿勢は非常によかった。

作戦の中で戒律を破ることを黙認するが、エボン教の連中は作戦を成功させるつもりなんか毛頭なく、多数の死傷者を出した後に「今回の作戦が失敗したのは教えを守らなかったからです。戒律を守りましょう」とか言い出したところで僕は拍手してしまった。

素晴らしい宗教ムーブだ。

 

僕はミヘンセッションでガッタくん(CV神谷浩史)を焚き付けて、見殺しにした。

 

「ちょっとくらいルール違反しても、目立たなきゃダメだよな?」

「手柄を挙げるためには最前線に行かなきゃ……」

 

とか言ってるガッタくんの前で選択肢が出た時、キラーさんは

 

「もしかしてこの選択肢でこいつ死んだりする?」

と聞いて来たので、

「その選択肢でルッツかガッタのどっちかが死ぬ。僕はガッタを殺してルッツを生き残らせたいな。なんでってその方がえっちじゃん」

と答えた。

キラーさんは僕の顔を三度見しながら、

「戦争して幼児とか新兵だけ生き残ったりすんの、納得いかねえよな。わかる!」

と言った。

 

ミヘンセッション終了後、ジョゼ寺院は半死半生の討伐隊で溢れていた。

そこにはガッタを失ったルッツもおり、壁に当たりながら泣きわめいていた。

 

「なんで最前線なんかに行ったんだよ!なんで司令部で大人しくしてなかった!!畜生!!!」

 

僕はそれを見て、「僕はこれが見たかったんだよ……」と呟いた。

キラーさんも「いいですわゾ〜〜〜コレ」と言っていた。

僕達は混沌/中庸さ。

 

 

ところで今回の目標は、ブリッツボールの大会で優勝することだった。

 

まず一回目のプレイでは、果敢に攻め込んで得点を取ろうとした。結果は一度はリードを作ったものの一瞬でボールを奪われ、後半戦でズタズタにされてしまった。

ザナルカンド・エイブスのエースであるティーダくん(僕達は彼に【ぬか八】という名をつけた)は案外ステータスがヘボく、パスの値は3しかなく、その辺の雑魚以下であった。

ドリブルの数値はあるものの、常勝ルカ・ゴワーズの面々を三人抜きするほどではない。

他のチームメイトもひどい。

あまりに足が遅く、一度たまたまを奪われたらビサイド・オーラカの面々はなかなか敵に追いつけない。

一番酷いのはキーパーのキッパだ。ルカ・ゴワーズのエース、ビクスン(名前だけで笑える)やグラーヴのシュートを止めるには、キッパが三人必要だ。

 

ビクスンがシュートを打つ度に、僕はすんこくんのケツを叩いた。

 

ビサイド・オーラカにはキーパーはいない。そう思ってプレイしなくてはいけない。

 

二回目のプレイは搦手を行った。試合開始後四分は味方のゴール近辺に全員を集め、パス回しをして時間と経験値を稼ぐ。必殺シュートが使える後半戦で攻め込んで勝つ。この戦術を用いた。

しかし後半戦、相手ボールから始まることが多く形勢不利。

ぬか八が全然敵チームのマークを抜けず、得点出来ないままワッカと交代することとなり、ワッカはまるでいいとこ無しのまま試合終了。

 

三回目のプレイでは前回のプレイを踏襲し、前半二分はパス回しを行った。

三分にさし掛かろうかという所でぬか八は一転攻勢に転じ、敵チームのディフェンスバルゲルダを抜いて普通のシュートで先制点。

後半戦では決断的な攻め込みでジェクトシュートを放ち、相手チームを二人昏倒させて連続点。

 

ここで場内はワッカコール、アルベド・サイクスにズタズタにされたワッカを再びプールに引き戻そうとする民衆の嗜虐に満ちた呼び声!

復帰するワッカ!退場するぬか八!

 

得点後は相手チームから始まるので、ここで相手からボールを奪わなくてはあっという間に作ったリードを崩されてしまう。

 

敵の基本的戦術はこうだ。

驚異的な突破力を誇るグラーヴで敵陣を短期突破し、ゴール前でビクスンにパスを出し、ビクスンがシュート。

 

グラーヴさえ止めてしまえば勝てる!!

僕はグラーヴにマークを三人つけた。

これでもグラーヴを止められるか五分五分だ。

ビサイド・オーラカのモブたちは必死になってグラーヴに食らいつくが、如何せん足の速さが違うため全く追いつけず、為す術もなくゴール前へ。

ここでグラーヴは渾身のパス!命が伸びたように見えるが、ボールの行く先は当然エース、ビクスン。

多少ゴールから遠かったビクスンはボールを持つや否や、電撃の如くゴール前まで上がってくる。

やんぬるかな、ビクスンにシュート打たれて一点奪われ、次のビサイド側ボールをグラーヴに奪われて追加点、ゲームセット、二人は幸せなキスをして終了の未来まで見えた

 

以外!!ここでビクスンが行ったのはまさかのパス!ボールは再びグラーヴへ。

グラーヴには三人のマークが付いている。ここでボールを奪えれば……!

 

しかし現実は時に厳しい。グラーヴに食らいついたビサイド・オーラカの面々はいとも容易く突破され、グラーヴはまたゴール前へ。

このグラーヴもワッカなみのシュート力を持つ恐ろしい前衛だ。

 

しかしここでグラーヴまたもやパス!

こいつ!頭が悪いな?

 

ボールは再びビクスンに戻るが、ここでマークモードを解除、ビサイド・オーラカのモブたちがビクスンに食らいつく。

ここで運良くボールを奪う事が出来た。

前衛のワッカはフリー、追加点のチャンス!

しかし僕はここで気付いた――残り試合時間一分を切っている!!

 

「ここで自陣営でパス回しして最終的にボッツがワッカに超ロングパス。最悪ワッカがボールを落としたとしても試合終了までに相手がシュートを打つような時間はない!勝てる!!!!!!!」

 

ビサイド・オーラカは自陣営ゴール前のものすごく短い距離を執拗にパス!グラーヴに追いつかれそうになったらまだマシな肩を持つ(ぬか八のパス数値より9も高い)ボッツにどう考えても届かない距離をパスさせる!!

たっぷり20秒を稼ぎ、案の定取れないワッカ!こぼれ球を拾うバルゲルダ

バーカ!もう終わってんだよ!

 

Game set.

 

優勝商品はポーション!あとやってやった感!おわり!!!

 

 

フランス旅行記一日目

 

はっきり言って満身創痍だった。

最悪のタイミングで風邪を引いたかぜはくは気力で六連勤を切り抜けたのだが、まともに寝るだけの体力も残っていなかった。

 

寝るのが遅くなった理由は、出国前に寿司のエナジーを取り入れてからの方がよいであろうと考えたからというのもあるが、単純に体が単純に疲労の限界に達していたため、寝付けなかったというのが大きい。

常ならば飯食って風呂入って寝たら完全無敵で全回復なのだが、体調が悪いとHPRがガタ落ちし、回復効率がうんじょあになるためだ。

 

当日起きたのは五時前、起きた時の体調は前職の出勤前を彷彿とさせる致命的状態であった。

ここから車でポートアイランドまで行き、高速船にぶちこみおねしょして関空に突っ込む。

疲れからか感受性がバグっており、ポートアイランドで見た日の出とコンビニ店員の接客に目頭が熱くなる。

 

高速船に乗り込む。

ほんとに一週間ここに車おいといて大丈夫なの?まあ大丈夫だっつーんだから大丈夫なんだろう。


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あばよ神戸の晴れ間。

 

あっという間に(三十分くらい)関空に着く。

関空ポケモンセンターにはかわいくてでかいイーブイとピカ公がおり、もさもさしていた。

 

関空で飛行機を待つ。

この時点では「おれ、旅行に際して風邪治った!」とか思っていたのだが、表面上落ち着いていて高揚感で疲れを感じていないだけであることは数時間後にわかる。

 

搭乗。

エールフランスでいったのだが機材がハイ・テックになっていた。

新婚旅行で行った時は(ピω゚コ)みたいなタッチパネルだったのだが、時代の流れを取り入れた最新の(ちょっと古い)タッチパネルであった。

 

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%83%E3%82%BA%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BB%E3%83%94%E3%82%B3

ちなみにこれは最新の(ピω゚コ)情報です。

 

よーし、映画見るぞーーーとなる。

最初に何を見るか――これはなんでもいいように見えてその実非常に重要な命題だ。

リストには魅力的なタイトルが並ぶ。

デッドプール1,2、ヴェノム、ゼロシコ、カメラを止めるな!ショーシャンクの空に、名作、話題作が並ぶ。

 

その中から僕は一つのタイトルを選んだ。

 

 

――『スシポリス』。

これだ!!

 

http://sushi-police.com/sp.html

 

あらすじをコピペしておこう。

 

2020年東京五輪開催を目前に、全世界的にいまだかつてない空前の寿司ブームが到来。そこには信じがたい寿司が溢れていた・・・!
見かねた日本政府は各国に呼びかけ、自国の食文化を守り、他国との正しい食文化の交流促進を目的としたWFCO(World Food-culture Conservation Organization, 世界食文化保存機関)が発足。
WFCOの中でも容赦ない強制捜査で悪名高い第9課、通称・スシポリスは、アメリカ、ロシア、フランス、ドイツ、中国・・・各国に蔓延する“間違った寿司”の一掃に乗り出した。だが、有無を言わせない傍若無人な取り締まりは、いつしか各国の寿司レストランから猛反発を招き始める・・・。
これは「正しい食文化を守ろうとする者」と「自由な食の楽しみ方を奪われまいとする者」とのあくなき戦いの物語である。

公式の解説では次のようにある。

 

“SUSHI POLICE”は、日本政府がかつて海外メディアからバッシングされた「スシポリス事件!?」に着想を得た3DCGアニメシリーズです。

※スシポリス事件!?とは……2006年、海外での間違った日本食の蔓延を危惧した⽇本政府が正しい⽇本食店を認証する制度「海外⽇本⾷レストラン認証制度」の 創設を発表したところ、「スシポリスがやって来る!」と揶揄して海外メディアが⼀⻫にバッシングを展開、日本政府は実施を見送った。

 

まず三人の登場人物が出てくる。

「寿司の声」を聞くことが出来る特殊能力を持ち、スモウカラテを使いこなす恰幅のいい中年男性、ホンダ。ひょろひょろの中間管理職メガネ、スズキ。オートメーション・スシ・アンドロイド、カワサキ

誰もバイクに乗ってたりはしない。

 

とにかく名言が多いアニメだった。

 

  • ごらんなさい、あれがすし座よ。
  • 気になって寿司の声に集中できない。
  • 築地へ帰りましょう?(閉場してる)
  • 相手は寿司です!わさびは通じません
  • 私は寿司を自由にしてあげたいだけ!!!!!

 

登場人物がほぼメガネの中年なので見栄えが悪いのだが、風呂敷のたたみ方が急加速でよかった。

新生スシポリスには女の子もいるし……。

 

デッドプール2見る。

可哀想なことにじろーの推しは序盤で死んでいた。

 

ゼロシコを見る前にお昼ごはんが来た。

エールフランスを選んだ非常に大きな要因がここにある。

なんと、アペリティフとして出てくるシャンパーニュは飲み放題なのだ!!!!!!!

 

しかし忘れてはならない。

新婚旅行の折には機内でワインを十三本飲んで前後不覚になり、トイレの前で昏倒してCAに助け起こされたことを!

 

かぜはくはIQ八億とかあるから同じ轍は踏まん!!!!

こちとら口が肥えてんだ。今更Pay d'Ocなんかがぶ飲み出来るかよ!!!シャンパーニュおかわり!!!!!!

 

よし、ゼロシコ見るか……というところでかぜはくの体に異変が発生する。

如何にこの僕が最強であるとはいっても、何分疲労困憊の所に突然の飲酒、加えて乱気流にエコノミークラスの狭さ……様々な要因が重なって、すでに嵌っていた!泥中…!首まで…!まさに人喰いる゙ま゙ぁ!!

 

ぼくは飛行機向いてないのかもしれない……と意気消沈しながらもゼロシコを見るもイマイチ感情移入出来ず、あむろさんがRX-7とかいうキモオタ御用達の車で曲芸運転するところでクスッと来ながらも吐き気と眠気と倦怠で呻いたりしていた。

少しく睡眠をとっても体調は改善せず、まもなくフランスという所まで来ても朝飯の機内食を食う元気もない。隣の席のおばちゃんにおもっくそ心配されたが、気合い入れてはばかりに行き高度2万メートル脱糞をキメたら幾分か調子がよくなった。

 

その後もおばちゃんに心配されてあめちゃん貰ったりしたので色々話をした。接客モードで。

今デモやばいわよねーみたいな。

 

そうこうしているうちに飛行機はフランス上空。

シャルル・ド・ゴール空港に到着したのであった。

おばちゃんとほななーグッドラックみたいになりながら別れたのだが、スーツケース拾うとこで再開してちょっと恥ずかしかった。

 

ところでフランスですが、暑かった!!!!!

 

旅行に行くまでずっとじろーと僕はフランスの気温に不安を覚えていて、ヒートテックのぱちもんを買い込んだり靴下を買い込んだりカイロを買ったりした。

 

ぜんぶいらねえ!!!!!

まさかの気温十八度!!!(二月の真冬の話です)夏じゃねえか!!!!!!!!



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コートとかいうのはいらなくなった!!!

無論マントもいらなくなったのであった。

 

そっから鞄拾ってバスでパリまでいくことに!!

この時のためにかぜはくはデュオリンゴとかいうアプリでフランス語と英語を勉強しておいたのさ!!!!

 

パリへ向かうバスの中もクソ暑く、ぐったりしていたかぜはくだよ。

 

オペラ座あたりでバスを降りるとはいじゃああとはもう自由にしてねーみたいな感じなのでやたらくそ重いスーツケースを転がしてパリをてくてく歩く。

数駅先のカデ駅付近に我々のとったホテルがあるからそこまでいくのだ。

 

パリ、石畳なのでスーツケースとの相性がいまいちよくない。おもむろに人糞とかも落ちてるし当たりどころが悪かったら死ぬ。

 

数歩歩くとカフェやビストロ、飯所に突き当たるのがパリ。

中華とか和食も結構ある。

 

「Come」

って書いてあったからおっ英語だ!なんの店だろうとおもったら米の店だった。

コメ!ハラキリ!ニンジャ!

 

おすしもいっぱいある。

 

とにかく飯どころの豊富さたるや、フランス人が如何に飯に命かけてるかというのがよく分かる。

 

ずんどこ歩いていくとカデ駅の近く。なだらかだけど長い坂を登っていく。

 

うまそうなアイリッシュ飯屋やケバブ屋などもあったが結局寄らなかったな……。

 

そしてホテルに到着!

扉は常に施錠されており、ドアの横にあるスイッチを押して開けてもらう。

 

「予約したものだが?」

俺様がスキルレベルEくらいのフランス語で言うといい感じに扉が開く。

 

現れたるはシュッとした若者の兄ちゃん。

兄ちゃんは流暢でありつつも、リスニングスキルが死んでるかぜはくにも判るようなイージーイングリッシュでホテルのことを教えてくれる。

 

なんとフロント前のラウンジのおやつは食べ放題!!

飲み物も飲み放題!!!

やりたい放題!!

しかも系列ホテルのすべてのラウンジで飲み食いし放題!!!

すごいぜ!!

 


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やっと重たい荷物が置けるぜ!!

この荷物何が重たいって日本から持ってきたミネラルウォーターが山ほど入っているからなのだ!!!!

まあ水は沢山必要だからね。

かぜはくは硬水でもどってことないんだけど。

 


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パリの夕暮れ。

 

疲れは溜まってすぐにでもへたりこみたかったのだが、寝るには早い(時差があるから実際には不明)ということで暮れなずむパリを散歩しにいく。

 

ギャラリー・ラファイエットとかいうデパートで(結局旅行中グルメ館以外に立ち入らなかった)晩飯のパニーニを買ったり、カトラリーみたりワインみたりした!

 

ワインコーナーはめちゃくちゃよく、Cave(ワイン保管庫的な)の名の通り保管に適した温度、湿度、証明で流石は本場という感じ。

うろちょろしてたら店員に話しかけられ、

Je voudrais……って言いかけたら店員に

「あっ!いらっしゃいませ!」

って普通に日本語で応対された。

流石はデパートだ……。

 

あんま時間もなかったのでまた来ることにしてギャラリー・ラファイエットをあとにする。

 

スーパーでサラダ買ってホテルでパニーニと一緒にむしゃぶりついてこの日はターンエンド!!!!!!

 

あんまり疲れてたからこの日はワインなし!

死ぬからね。

 

次回、博物館!

かぜはくのテイスティングノート ヘラクレスの栄光編

ヘラクレスの栄光ってあるじゃないですか。僕は超好きなんですよ。特に3と4。

3は大人になってからプレイしたけど、ゲームバランスはともかくストーリーは本当に素晴らしかった。

どんでん返しがあるとは聞いていたけどそんな形だとは……。

 

4はプレイして時間が経ってるので、またプレイしたい。

 

テイスティングノート?やるよ?僕が四六時中スーファミばっかりしてると思わないで欲しい!

 

そういえばこの間久しぶりにかぜはくネミテアで集まった時、SO5してた折に僕は彼らにSO2の布教をしたんだけど、

はニャんさん「今見るとグラフィックが古いじゃん……」

キラーさん「レトロゲームかなって(かぜはくの方を三度見しながら)」

僕は憤った。PSはレトロじゃないよ!!って言うと、キラーさんは

「普段からフャミコンとスーフャミしてる人の時間の感覚はおかしい!SO2は二十年前のゲームです!」

って言われてぐうの音も出なかった。

 

話を元に戻そう。

 

僕はここのとこ一年くらいずっと探してるワインがあって、それを求めて各地のワイン屋に顔を出しまくっていた。

 

「アギオルギティコで作られたワインないですか?」

とにかく行った酒屋、ワインショップで尋ねまくった。

 

「ない」

「ない」

「ありません」

 

はい。これもまた宿命。

インターネットで探すとすぐ見つかるのは判ってるんだけど、こういうのは保存状態がものをいうので、できる限りちゃんとしてるとこで買いたいというのがある。

 

一応解説しとくと、アギオルギティコというのはブドウ品種で、ギリシャの土着品種だ。

主にペロポネソス半島で生育する。

ギリシャの赤はどちらかと言えばこちらよりもクシノマヴロの方が評価が高いのだが、より手に入りにくいこちらを試してみたいと思った。

クシノマヴロは多分探したらすぐ出会えるし……。

 

別名「ヘラクレスの血」とも呼ばれており、特にネメア(産地)のものは品質が高い。

ブドウの特徴としては滋味深い果実味と穏やかなタンニン、まろやかな酸味を持つとされている。

 

試験勉強してる時に知ったんだけど、ギリシャなんてのはブドウを育てるには暑すぎるし乾燥してるし台風来るしではっきりいってあんまり適してるとは言い難い。

試験問題の中でも比重の高くないマイナー産地だ。

味わいのデータを見てみても、イタリアっぽいなーみたいな雰囲気があり別にそれじゃなくてもいいじゃんみたいな感もかなりするのだが、まあ探し回るのと酒屋巡りが楽しいのでよしとする。

 

今回散歩のついでに立ち寄った神戸のワインショップで取り寄せてもらい、遂に手に入れたという経緯だよ。

 


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輝きのあるルビーレッド。外見は非常に健全。若々しく見える。

粘性やや強い。アルコール度数はそこまででもないけど……。
香りは酸味と赤色果実を感じる香り。ラズベリー。なめし革のニュアンス。血液。第1アロマが強い。


シルキーなタンニン!果実味豊かだが重さはそれほどではない。

 

余韻も長く、存在感のあるタンニンの残り香が続く。

 

うまいぞ?
ぶどうの質はかなり高い。
樽のニュアンスもあるが、効かせすぎではなく上品。

質のいいイタリアっぽい感じ。


ギリシャってなんか呑気で怠惰なイメージだったけどこれはクオリティ高いじゃん!

 

地中海は単純にうまいのが多くていいですね。

次はクシノマヴロとかも試してみよう。

FEってたまにしたくならない?

ファイアーエムブレムってたまにやりたくなんない?

 

なるのです。

 

家で聖戦の系譜をやってると隣から覗き込んできたじろーが「うわー90年代の絵柄」などと言ってきたのだが、聖戦の系譜は96年発売なので彼女の作風から時代を読み取る感覚は非常に鋭敏だと言える。

そのうちコリント式のエンタシスを見て建築年のあたりをつけたり、絵画の顔料の発色や色褪を見て製作年を当てたりしそう。

するか?

 

話は変わるが、使うかどうか判らんような技術や知識を得るのが好きだ。

この間戦術に関する情報をほんの触りだけ得たので、ゲームの中で実際に用いて生きた知識にしたいと思う。

 

折角だからやったことないやつをやろう。

 

GBA聖魔の光石というのがあるのだが、こいつをやる。

GBAでは他に封印の剣やら烈火の剣やら言うのがあって、僕はこの辺が初めてのFEであった。

 

あ、でもその前にカレルの話する?

この話長くなるからゲームのプレイはまた今度ね。

 

烈火の剣封印の剣は続編的な作品なんだけど、十何年くらい時代が違う。そのどちらにも登場するキャラというのも少なからずいる。

 

でまあ僕の推しのカレルっていうお肉斬りたいクンがいるんだけど、こいつが人殺しなんですよ。

長髪ツリ目で胸をはだけてて、「あーかぜはくが好きになりそうな見た目」みたいな感じだ。

で、こいつが筋金入りの中二病患者。

中二病患者ではあるのだが、有言実行の中二病患者なので中二病が行き着く所までいってて狂気をはらんでいる。

孕んでいるというかこいつは狂っている。

サカ(遊牧民)出身の剣士であるカレルはとにかく剣の上達に命かけてて、「斬れば斬るほど俺は強くなれる!」

「斬れるなら誰でもよかった」

などと数年後ふと思い出してアチャーとなりそうな言動をバンバン繰り出してくれる。

とにかくお肉を斬ることに喜びと快感を見出していて、戦場にふらっと現れては適当にその辺にいる人間を敵味方の区別なくズタズタにしまくっているのだが、彼にも一定の基準と美学があるらしく、時と場合によっては斬ったり斬らなかったりする。

特にいくつかの場合においてそれが顕著で、そこがまあエモポイントなのだ。

 

弟子のギィくんに対して。

サカ出身のギィくんという剣士が仲間にはいて、かなり早い段階で加入するキャラだ。しかし彼は剣士の癖に力の上がりが悪かったり、見た目がジャリくさいのでかぜはくはある程度にしか育てていなかった。

FEには支援会話というのがあって、特定のキャラ同士を隣接させ続けるとなかよし会話が発生して二次創作が捗るみたいなシステムであるのだが、カレルはこのギィくんと支援会話が発生する。

カレルの美学というのは、要は「一番おいしいタイミングで好物を食べる」ということだ。

ギィくんと初めての支援会話では、カレルはギィくんの未熟さを嘲笑しながら、お前は美味しくなさそうだからまだ斬らない!ってするのだが、支援レベルがBになると「毎晩私の部屋に来い」とか言い始める。

支援レベルAになると「私はもう自分を抑えられない」などと言い始め、今までプラトニックな関係だった弟子に一転情欲を向け始める。

 

ここんとこは攻略サイトをコピペするね?

支援レベルC
[ギィ] (右)

あ、あんた・・・!▼
[カレル] (左)

・・・・・・▼
[ギィ] (右)

ま、待ってくれ!
あんた、カレルってんだろ?▼
もしかして、
あの・・・【剣魔】なのか?▼
[カレル] (左)

・・・・・・▼
[ギィ] (右)

あ、ちょっと
待ってくれよ!▼
おれはギィ!
サカの戦士だ。▼
おれ、あんたに
剣を教えて欲しいんだ!▼
[カレル] (左)

・・・・・・▼

[ギィ] (右端)

!▼
なっ、
なんだよ・・・▼
[カレル] (左)

己の未熟に
感謝するのだな。▼
もう少し
剣を使えたならば・・・▼
お前を斬らずには
いられなかったろう。▼
[ギィ] (右端)

な・・・なっ・・・▼
なんだってんだよ、
いったい・・・▼

支援レベルB
[ギィ] (右)

師匠!▼
待ってくれよ!
カレル師匠!▼
[カレル] (左)

・・・・・・▼
[ギィ] (右)

なあ、頼むから
おれに剣を教えてくれ!▼
おれはサカ一の剣士に
ならなきゃいけないんだ!▼
[カレル] (左)

・・・私の名が
世に広まったころ、▼
お前のような輩は
掃いて捨てるほど現れた。▼
片端から斬り捨てるうちに
いなくなったが・・・▼
見逃してやる。
・・・消えろ。▼
[ギィ] (右)

ま、まってくれ!▼
あんた、戦う相手が
欲しいんだろ?▼
だったら、おれが
相手になってやる!▼
[カレル] (左)

・・・・・・▼
[ギィ] (右)

けど、今のおれじゃ
あんたにはかなわない。▼
だから、
おれに剣を教えてくれ。▼
一年あれば、おれは
絶対強くなってみせる。▼

あんたの敵になれるくらい・・・
あんたを越えるくらいに!▼
[カレル] (左)

・・・・・・▼
今の言葉、
偽りはないな。▼
[ギィ] (右)

あ、ああ!▼
[カレル] (左)

良かろう。▼
今夜から毎夜、
私のもとに来い。

剣を、教えてやる。▼支援レベルA
[ギィ] (右)

師匠!▼
[カレル] (左)

・・・・・・▼
[ギィ] (右)

師匠! おれの戦い方
どうだった?▼
[カレル] (左)

・・・・・・▼
[ギィ] (右)

師匠に教わった剣、なんとか
ものにできるようになったし、▼

へへ、けっこうおれ、
才能あるのかも。▼
まだ師匠からは
一本もとれてないけど、▼
おれだって、
そのうち必ず・・・▼
[カレル] (左)

ギィ。▼
[ギィ] (右)

?▼
[カレル] (左)

修行は、もうやめだ。▼
[ギィ] (右)

え?▼
な、なんで!▼
[カレル] (左)

お前は強くなった。▼
これ以上
お前に技を教えれば・・・▼

私はお前を
斬りたくなる。▼
斬らずには
いられなくなる。▼
[ギィ] (右)

・・・・・・!▼
[カレル] (左)

こうしている今でさえ、
私は自分を抑えられん。▼
私の一刀を、
お前がどうしのぐか・・・▼
そう考えただけで
血が揺らぐ。▼
[ギィ] (右)

し・・・師匠・・・▼
[カレル] (左)

だから、行け。▼
もう私に
話しかけぬことだ。▼
一年後の話は・・・
忘れてやろう。▼
[ギィ] (右)

し、師匠!
待ってくれよ!▼
おれ・・・師匠には
すごく感謝してる。▼
けど、強くなって
師匠と勝負するって言葉は・・・▼
あれは、
うそじゃない。▼
おれ、必ず師匠より強くなる。▼
強くなって、師匠を倒してみせる。▼
[カレル] (左)

・・・そうか。▼
次に剣を交える時・・・
私はもう自分を抑えられまい。▼
一年の後、
またお前と会おう。▼
その時が、最期だ。▼
良いな?
[ギィ] (右)

・・・・・・▼
はい・・・師匠。▼

 

こんなんホモでしょ?

あと妹に対しては斬る斬る詐欺して結局斬らない。

 

あと女みたいな顔したシスター(男)に寝るから近くに寄れとか言うたりする。

 

 

これが十数年後の「封印の剣」の時代になると、急に物腰が柔らかくなって柳生石舟斎みたいに剣の道とは……とか説き始めたり活人剣を見出したりする。

禁断症状起こして「斬れるなら赤子でもいい」とか言うてた鬼畜はどこにいったの????

 

ふうふう、熱くなってしまったので今日はこの辺で。

カレー。

「二十分くらい居てもらってもいい?お祈りに行ってくるから」

 

小さくちぎったナンをカレーに塗ったくって食べる僕達に、店主はそう言った。

 

「どうぞどうぞ。お気をつけて」

 

僕達はそう答えて、再び料理を楽しむ方向に戻った。

店内には僕達の他にはもう一組しか客はおらず、今日の予定について話し合っているのが聞こえる。

店内にはかすかにと言うには大きい音量で中東の香りがするBGMが流れている。

 

神戸という街は非常に面白い街だと僕は考えている。

 

本質的な部分ではやはり日本的文化が確かにある。

それはよく言われる標高差の意識であったりだとか、旧居留地のど真ん中やら異人館のあたりやらオフィス街やらに生田裔神八社が点在していることだったりすることや、街並みそのものの雑多さなど……多くの要因からそう感じる。

 

「異国情緒の街」と言われたりするのだが、ではその異国情緒とやらはどこからいずるものなのか?

北野の異人館集合軍の中にも日本家屋はあるし、今にも崩れそうな昭和の据えた匂いがぷんぷんする建物なんかもかなりある。北野の入口にある異人館案内所などはその最たるもので、単純に景観を持って異国情緒があるとするのは僕にとっては納得し難い部分がある(しかしカフェドパリの佇まいや高級ブランド街を見てパリを想起するのも確かだ)。

 

宗教と思想の坩堝としての神戸に、僕は面白みを感じている。

 

学生時代にじろーが僕に「神戸行くんだけどなんか見るもんない?」と尋ねてきた時、僕は「生田神社(神道)行ってモダン寺(浄土真宗)行ってモスク(イスラム)行って関帝廟(道教)いってアジア宗教ツアーなんてどう?」と提案したら、「君に尋ねた僕が馬鹿だったよ」と返されたことがあった。

 

もっと言えば、シナゴーグ(ユダヤ)もあるしグル(シク教)もあるし、ジャイナ教寺院まである。もちろん、教会(カトリックプロテスタント)もね。新興宗教まで数えるのはアホくせえから省く。

 

これは何度も説明していることだが、僕は宗教の基本理念であり目的である死への恐怖の克服と幸福の追求というものに興味があるから宗教に興味があるのであって、特定の宗教に肩入れすることもなければ、自分自身を救うのは自分でしか有り得ないと考えている。赤の他人に救われてたまるかと考えている。

どこの宗教団体にも属さない。

 ありとあらゆる(宗教に限らない)幸福を追求する手段をより客観的に見つめるための、僕の美学だ。

 

日本人の宗教観に関して言えば、よく言えば包容力があり、悪く言えば無関心なのだが、それ故に宗教由来の争いが少ないとも言える。

だからこれだけ多種多様な宗教の宗教施設があちこちに(それこそカレーに使われるスパイスの数みたいに)乱立していても、戦争も起こらなければ殺し合いも起こらない。

他宗教への寛容さにおいて、神戸という街はその他の街より明らかに異質だ。

僕が知る限りは、ジャイナ教寺院は日本でここだけしかない。

 

そういう意味では、神戸というのは、カレーに似ている。

中東飯がインドでスパイスと融合してカレーの原型が出来て、インドのカレー、イギリスのカレー、フランスのカレー、アメリカのカレー、日本のカレー、東南アジアのカレー、南アのカレー、カレーというのは少しずつ形の違う、世界を共通する料理なのだが、全て日本人はひっくるめてカレーと呼び、食べている。

形の違う、本質の同じものが一つのものに(多少無理矢理に)ひっくるめられて、それぞれをそれぞれの人達が楽しんでいる。

 

店主がモスクから帰ってくる二十分間、僕はそういうことを考えていた。

 

かぜはくのテイスティングノート なあ……そうだろ、松ッ!!篇

2016 ブルゴーニュ・レ・セティーユ/オリヴィエ・ルフレーヴ

 


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ぴっぴかちゅう!
ピュリニー・モンラッシェ最強の作り手といいえば……そう!ドメーヌ・ルフレーヴじゃな!
オリヴィエ・ルフレーヴはドメーヌ・ルフレーヴのネゴシアン(ぶどう買い付けてワイン作る人ら)部門みたいなもんなんだけど、ネゴシアンにしてはうまいワイン作るので僕は割と好みだぞよ。


普段は赤ばっかなんだけど、試験対策で白も飲まないといけなくて……そういうわけだよ。
ついこの間試験だったのだが、苦手な白の方が二種類ともドンピシャで自分の才能が怖くて戦慄しておるよ。


ブルゴーニュボルドーとは違って基本的には葡萄の品種は単一で作る。
こいつも例に漏れず、シャルドネの単一だ。
しかし面白いとこは別にある!
ムルソーという畑(力強くてコクがすごい)とピュリニー・モンラッシェ(酸が強くミネラリーでエレガント)の葡萄を使っており、それぞれの特徴が取りやすいので非常に面白いね。


英国のロイヤルウエディングのなんちゃらパーティで使われたりもしたらしい。


試してみよう。


澄んで輝きがあり、緑色がかったレモンイエロー。
外観からは若々しい印象を受けるけど、香りからは熟して完成度の高い葡萄の状態がとれる。
柑橘系、桃、花梨の香り。第二アロマはパンドゥミや貝殻……火打石が特に取りやすい。
ムルソーらしい力強さ、味わいの厚みもあるし、モンラッシェらしい酸味やミネラル、花のニュアンスもしっかり取れる。


なかなかいいねこれは!
二つの超銘醸地の個性がバラバラでなく調和しているのはストーリー性があっておもしろい。
これを結婚式のレセプションパーティに使おう!ってなったやつ、ワインオタクだね?


食事に合わせるなら、アタックにムルソーの感が強いからクリームソースのパスタとかかな。
シチューでもよい。


これは余談だが、引越しを予定しており冷蔵庫の中身を使っていく必要があって余ってるクリームチーズをホワイトシチューの中に全部ぶちこみ、「牛乳を一滴も使っていないシチュー」という冒涜的で暴力的な料理をじろーが作ったのだが、これが卒倒するほど美味く、もし感度が三千倍とかになってたら……と考えると生唾を飲み込んでしまうような出来だったのだが、そういうのに合わせるとよいと思う。
ベシャメルソースとも合いそう。


じろーがシャルドネがとにかくだめらしく、曰く
「薄めたスポドリ
「薄い」
「よくわからん」
などと散々に言うのだが、これはまだ飲めるとのこと。
まあ我々は血が温暖な地域の赤ワインで出来てるので白ワインという飲み物がよく判らないのは仕方がないね。


そんなわけでシャルドネの類を一人でひたすら飲みまくっている。


股間で寝る猫の体温を感じながら飲むワイン。これがうめえのだ!!!!!