かぜはく電脳曼荼羅

玄秘学、食文化、ゲーム、生と死に非常な関心があります。

もかちゃん

 はニャんとこの猫、モカちゃんは何やら年中盛ってたりするのだが、この状態だとやたら甘えてきてとてもかわいい。

 

 腕をぎゅってしてきたりアマガミしてきたり。乗っかってきたり。
 
 まあそれはそれとして、それは夜中のことであった。メタルギアソリッドとかいうワンちゃんと砂漠を旅しながら男の子をぎゅーってして腕力で自分のモノにするゲームをしてたのだが、酒が進んだこととかっぱえびせんテリヤキ味(全然全くこれっぽっちもテリヤキ味ではなかった)によって喉の乾きを覚えたかぜはくは、水を取りに階下の台所へと降りた。勝手知ったる人の家、俺様はピッチャーに水道水をぶちこんでそのまま戻ろうとしたのだが、後ろ手に閉めたと思った扉が開いている(よくある)。だって俺様んちの扉は引き戸か勝手に閉まるタイプのやつなんだもん。
 
 で。そーするとモカちゃんがおもむろに台所に入ってきて、食卓の上にあるおやつやらを物色し始める。ヨクナイネ!
 
  ていうかモカちゃんだけじゃなくて子猫も三匹くらい入ってるね?全員だね?何をしているのだね?
 
 そうなるともうパズルゲームよ。もぐらーにゃよ。パズルアンドねこちゃんズよ。一匹一匹捕まえては部屋の外に追い出し、また次の猫へ……と繰り返すうちについにラスボス。
 
 なんかモカちゃんの目つきが悪い。
試しに手を伸ばしてみると凄まじい勢いでねこぱんちしてきおる。
 貴様、王に向かって爪を立てるか。よかろう。後悔させてやる!
   
 実際ボコボコにされました。俺様の美しすぎる腕に多数の傷をつけおったので、そらもう我慢ならなんだ。
 
 お前さっきまでクソ甘えてきよったやろ!人が用を足してる時ですら足元すりすりしてきて大変デンジャラスであったというのに。
 
 そういうわけではニャんに助けを求めにいったのだが、はニャんは男の子をスカウトするのに忙しそうだったのでソロゲーすることにした。
 
 長着を脱ぎ捨てて半襦袢とステテコ姿になった俺様は、再度階下に降りてモカちゃんとの死闘に臨んだ。
 
  俺様はさながら勇気と知略を兼ね備えた伝説的もののふ、源九郎義経がごとくモカちゃんと対峙した。
 
 本来ならばここで名乗りをあげ、一騎打ちと相成るところ、モカちゃんはあろうことかアイサツ前のアンブッシュを試みた!これはスゴイ・シツレイ!しかし名将かぜはくは動じない。巧みにモカちゃんの猛攻を時に躱し、時に受け流しながら、その美しすぎる右手をちらつかせた。
 
 しびれを切らせたモカちゃんは身を翻して俺様の美しすぎる右手に飛びかかった。その鋭い爪がしっかと手首に食い込み、勝利を確信したかのような笑みを浮かべる!
 
「今です!」
俺様の脳内諸葛亮孔明が羽団扇を扇いだ。
 最強の攻撃力と最高の防御力を誇るかぜはくの美しすぎる右手は云わば「釣り」!おお!見よ!右手に一心不乱に組み付き、噛み付くモカちゃんを捉えたのは、どこからともなく現れた左腕であった!!これぞまさに神話的戦術、ツリノブセ=ジツ!!!
 
 そういうわけで卓上のおやつを食い尽くそうとするモカちゃんを部屋から無事追い出すことに成功し、俺様は無事に水を飲むことが出来た。
 まことにあの名采配がなければ、今頃どうなっていたか……。俺様文武両道で眉目秀麗にして質実剛健身体頑強頭脳明晰深謀遠慮明朗会計超人最強伝説でほんとうによかった。