ネオ歌舞伎十三郎そびえたつクソハリケーン
順を追って話をしよう……。
ワンピースの歌舞伎が始まったらしい。
歌舞伎の中でもスーパー歌舞伎という分野で、スモークあり照明ありの派手な今風的な奴だ。現代語でやるのが多いしね。
で、ちくったーを見てるとそのワンピースの歌舞伎について面白いちくーとがあったのでRTした。
全然興味なかったけどこの写真だけで歌舞伎ワンピース見に行きたくなった。 pic.twitter.com/MNAmLRSoI9
— スギショー (@SugiSho0120) 2015, 10月 6
か、かっけえ……。
ま、これは置いといて、普通の歌舞伎見に行きてえという話になった。
はニャんなども行きたいというので企画してみるということに。
ざっくり構想している感じでは、大阪松竹座で幕見などをしてみようかと思う。
これは、昼の部や夜の部をすべて見るのではなく、一幕、二幕、三幕とあるうちのどれか一幕だけを見る、というシステムの奴なのだが、初心者的には(僕も初心者なんだけど)よかろうと思う。
というのも、歌舞伎が敷居が高いと思われがちな理由は様々あろうと思うが、予備知識なしに行くとなると、全編スペイン語字幕なしの映画みるのと大差ないような気もするのだ。
まあその予備知識というのも差異はあれ。
僕の初めて行った歌舞伎の話なのだが、まあとにかく準備不足であったことを覚えている。
二回の冬かそんなんであったように思う。所属していた研究室の教授に歌舞伎に連れてってもらえることになって、おっしゃいくぜいくぜとなって京都は四条、南座まで突撃したわけだ。
教授いわく、「歌舞伎は持ち込み自由みたいなとこあるからね。その辺で調達しようか」などといわっしゃる。
ほう持ち込み自由!それは甘美な響きよ!かぜはくはニーギリオやシースなどを買い求めた。あと酒。
「長いこと歌舞伎を見に来てるけど、ワインボトルを持ち込んだ奴については君が初めてだよ」などと称賛されたので、かぜはくはどや感を出した。
南座の前でそういやコルク抜きねえじゃんということになり、連れには席を取っといてもらって寺町まで全力疾走するなどした。
歌舞伎を見にきたわけだが、俺様が一番傾いてるぜ。みたいな。
この時から俺様は常にコルクを抜ける装備を持ち歩くようになったよ。
で、始まったときに気付いたのだが、とにかく準備が足りていなかった。いやコルク抜きだけの話ではなくて、まったく無勉強で、何が必要だとか調べてすら来なかった。酒有ればなんとかなるぜ。みたいなところがあった。
まことに、まことにあなた方に告げます。
歌舞伎を見に行く際には、オペラグラスを持参しなさい。
二階席三階席から見る場合には、歌舞伎役者がどうしているのかいまいち判らないことでしょう。
アブラハムがそうしたように、オペラグラスをアマゾンで買いなさい。
あと、やる演目については多少調べてから行くとよい。
この演目は誰が出て何する話なのか、ぐらい。
さもなくば俺様のように「屋島つってるから源平の話かな?あのすげえつよそうなのは景清か?よくわかんねえけどこんな広いハコを地声だけで声通すのすげえなあ」みたいになる。
そういうのを書いた「筋書」っていうのとか、今何してんのかを紹介してるイヤホンガイドみたいなのは中で売ってたり貸してたりしてくれる。「筋書」については映画のパンフレットみたいな。
ま、コレがコレなんすけどね(フランシスコザビエルのポーズ)。
そんなこんな感じで。
いきなり歌舞伎見に行くのもあれだから、NHKとかでちょっと見て空気感をアレやソレしてからいくのはどうかね?とはニャんに打診し、僕は僕で「蔦谷十三郎さんちで歌舞伎をDVDを借りて次のかぜはくコンクラーベで一緒に見るのはどうか?判りやすい筋書とか用意してみるのも面白そうだ」と考え、仕事終わりにTSUTAYAに向かうなどした。
思えば、長らくこのTSUTAYAに来ていなかった。
暫くぶりに店内へ入ると、内装は様変わりしていた。
子供用の小さなゲームセンター。カフェスペース。北欧雑貨や駄菓子の販売。手広くやっている。
(なかなか頑張っているじゃないか、こんなド田舎で)
僕はそう思いつつも、店員に声をかけた。
「これ、そこな店員よ。歌舞伎のDVDはあるかね」
「え?」
「え?」
「え?」
深夜ということもあり、店員が廃人になっていたので一気にTSUTAYAがそびえたつクソに見えてきた。
結局探したり探してもらったりしたが結果的にないということになったので、やっぱり篠山のTSUTAYAだった。
頑張りは認める。認めるのだが、俺様の役に立たねばすべてが無意味だ!しねい!
そういうことになった。