かぜはく電脳曼荼羅

玄秘学、食文化、ゲーム、生と死に非常な関心があります。

初体験のスポッチャでアイドルの顔面に薬剤を掛けて接吻未遂された話

台風21号が日本をズタズタにし、関西空港は日本から分断されて沈没した。

 

実の所かぜはくは、六日からフランス旅行の予定であった。

エールフランスの機内でシャンパーニュを嗜み、デッドプール2を見る計画であった。

ルーブル美術館を三日掛けて楽しみ、カタコンブ・ド・パリの髑髏に思いを馳せるつもりであった。

ビストロで食事とワインのマリアージュに舌づつみを打つ心づもりであったのだ。

 

しかしその目算は外れた!

かぜはくは結局家の中でルーブル美術館の図録を眺めながらグラスを傾ける生活を送るはめになった。

 

内容のない長期休暇が出来てしまったため、さて何をするかというフェイズに入り、では今日は体を動かすことにしようという流れになった。

 

そんなわけで我々は大阪はミナミにあるラウンドワン、スポッチャなるものにやってきたのであった。

 

実はこのかぜはく、スポッチャなるものをしたことがなかった。

インドアおたくなので家でゲームしてた方が上でしょと思っていたが、これが存外いいものであった。

 

そういうわけなので特によかったものを列挙ていく。

 

1.バッティングセンター

はニャんさんがバッセンと呼称していたので、かぜはくもそう呼ぶ。

「バッセンしようぜ」

かぜはくがそう言うと、じろーは

「は?(なんだこいつ)」

と答えた。どうも抜栓という意味で取られたらしい。そりゃ僕だっていついかなるタイミングで抜栓して酒キメてもいいと思うけど。

嫁に酒キチガイだと思われているが、あながち間違っていないので理解が深まっているなあと感動することになり、オールオッケーオールハッピーであった。

 

なんだかんだバッセンが一番面白い。

 

2.カラオケ

さーて人でも殺すかという心づもりでカラオケボックスに入って叫び続けていたら女児が部屋の前で順番待ちをしており、無垢なる命、汚す訳にはいかないという気持ちになり少し抑えた。

 

3.セグウェイ

おもしろい。セグウェイで通勤したい。

 

4.ゲーセン

ここ、今回の本題です(中身があるとは言っていない)。

ここにあるゲーセンの中身については型落ちの筐体が殆どであり、それでいて一昔前というほどではない絶妙に古い筐体が揃っていた。そして全てが無料だ。コンティニューも無料。

エアホッケーやらパックマンやらレースゲームやらガンシューティングやらダンレボやら諸々とあった。

ガンシューティングは面白いですね。

いやこれは宗教になったわけではなく宗教を打倒するための調査だからね。

男なら近接だよね。

 

さて。

ここに一つ非常に面白いゲームがあったので備忘録として、また誰かにこの面白さを共有したい気持ちであったので書くこととする。

 

あらかじめ言っておくが、面白いというのはゲームがということではない。ゲームはかぜはくネミテア向けのクソゲーだった。

 

「セーラーゾンビ 愛のワクチン弾で撃ち抜け!」

と暖簾にデカデカと書いており、

「おいなんだこれは禍々しいな。興奮してきたな」

「とにかく冷やかしてみよう」

ということになり、プレイした。

 

シートに着くとゲームが始まる。

一人でプレイするか、二人で協力してプレイするか選べる。

パーティプレイに越したことはない。

私達は迷いなく協力プレイを選んだ。

そしてディスプレイには幾人かの女性が現れ、そのうち一人から誰かをパートナーに選べるらしい。

少し前テレビでは常に出ていた、何KB何ティーエイトの面々である。

しかし残念ながら我々は彼女たちについて詳しく知らない。

そのため、一番前髪が好みに感じた一人を選び、銃で撃ち抜いた。

 

ゲームが始まる。

 

「お願い!この銃で私を打って!」

 

おやおや殺人教唆ですか。

よろしい。殺して進ぜよう。

 

バキューンバキューン

 

主人公の男性は女性を撃ち抜くことに躊躇っていたが、あいにくこのかぜはく、すんこくんには「息をするように命を奪う」「かぜはくさんが居るだけで命の価値が下がる」と言われるほどの人格者、彼女を苦しみから解き放つために引き金を引いた。

 

ところでこの主人公の声、エロアニメとかですごくよく聞いた覚えがある。

そのせいで話のないようが頭にあまり入って来ず、よく聞いた声だなあという気持ちになる。

 

女性の頭を撃ち抜いたのだが、彼女は直ぐに立ち上がり、「打ってくれてありがとう」などといかれた台詞を吐いてくる。

どうやらこの銃に装填されている弾丸はワクチン弾なるもので、ゾンビ化した人たちの症状を抑制する効果があるらしい。

 

彼女の名前はま○ゆさんらしい。

ああ、あなたがま○ゆさんですか。お噂はかねがね。そう言うひとが居るということを知っています。私はアニメAKB0048を見ましたからね。あなたロボなんでしょう。

 

主人公である我々とま○ゆさん以外は全てゾンビになってしまい、治すためには研究所に連れて行ってワクチンをぶち込みおねしょする必要があるらしい。

 

ゾンビまみれの街をま○ゆさんと駆け抜け、ゾンビがいたらワクチン弾をぶち込んで沈静化させる。

 

聞いた事のあるような人名がもろもろと出てくるのだが、我々は彼女たちについて詳しく知らない上にキャラクタのモデリングの区別がつかないため、ま○ゆさんが

「ゆうこ!わたしがわからないの?」

「みんな!目を覚まして!」

「あんにん!やめて!」

などと声を上げるのだが全員同じ顔のように見えるためとにかく打って打って撃ちまくる。

 

そうこうしていたらなぜか広場にアンプとなんか音をならすための機械がおもむろにおいてあり、ま○ゆさんがそれを操作するとゾンビたちは急に歌い、踊り始める。

 

「よくわからない」

 

我々はそう漏らした。

 

急に何KB何ティーエイトさんたちの楽曲を元にした音ゲーが始まり、悪戦苦闘の末クリアする。

 

この調子で踊ったり歌ったりしながら彼女らを研究所につれていけばいいらしい。

 

次の場所へと向かい始めると、何KB何ティーエイトさんたちとは別に何KB何ティーエイトおたくのみなさまたちもゾンビとなって襲いかかってくる。

ズタボロのぐちゃみそにしながら進むが、ボスのわんちゃんが出てきて私達は負けてしまった。

しかし我々はコンティニュー無料。いくらでもコンティニューするぜ。

 

「戻ってきてくれるって信じてた!」

ま○ゆさんは言う。

別に我々はおまえらを見捨ててバッセンに行ってもいいんだからな。感謝しろ。

 

なんとかボスを倒し、なんやかんやといい感じになり二度目の音ゲー

 

この辺りで集中力が乱れてきており、ミスを多発する。

 

更に進み、何KB何ティーエイトおたくのみなさんをえぐれめぐれにしながら進む。

うまくコンボが決まったりするとま○ゆさんが

「すごいすごい!」

「あなって天才!」

「今のすごーい!」

「やったー!」

「かっこいい!」

などと褒めちぎってくれる。ちぎりまくって千々に乱れてくれる。

このあたり、ファンのみなさまにはたまらんのかもしれん。

 

次のボスでは協力している相手と同じところを撃ち、力を合わせた絆パワーでボスを倒す必要があるのだが、本来想定されているプレイヤー層的にはプレイしているキモオタとキモオタの絆が上がるのかなと妙に感動してしまい、目頭を押さえた。

 

ここでもコンティニューを余儀なくされ(何回もコンティニューしてるんだけど)、ふとコンティニューボタン付近を見るとワンプレイ400えんと書いてあった。

 

 

このゲームクリアすんの下手すれば4000円とかかかるんじゃねえか?

 

かぜはくはぞっとした。

 

紆余曲折あってラストステージで何回目かのライブを終わらせ、やったーゲームクリアだまゆゆも接吻してくれるというところで実際はしてくれず、このゲームの一番面白かった所(ゾンビになったメンバーが手すりに座って滑ってくる)のことがつよく想起された。

 

いい加減長すぎる尺に膀胱が悲鳴を上げており、私達は筐体を後にした。

 

いやあ面白いゲームだった……。