かぜはく電脳曼荼羅

玄秘学、食文化、ゲーム、生と死に非常な関心があります。

『痴人の愛』読んだ

めちゃくそレベルたけえNTRだこれ!

 

何がいいって、悪魔と称されるナオミを作ったのが、じょうじさんの欲望だということです。自分の満足のいく、自分の思い通りの女を作ってやろうと思って女を引き取り、西洋人のまがい物を作っていく。

当初は幸せに暮らしていたものの、ナオミはじょうじさんの、根底から歪んだ愛情という栄養を受けて、天性の、淫婦としての才能を開花させていく。

 

NTRでありながら、それ以上にマゾヒズムであるじょうじさんがめちゃくちゃいいキャラしている。寝盗られ男として優秀で、ナオミに捨てられた夜中に一人でナオミに乗られていることを妄想しながら自宅でお馬さんごっこしているところなど、百点満点であるね。

最終的にナオミに完全に屈服するところなんてめちゃくちゃいいですね。そういうの絶対妹原理主義で見た。

 

主人公が寝取り男に男性機能で完全敗北するNTRは市場に星の数ほどあるのだが、そういったものでは得られない愉悦がこの『痴人の愛』のように、寝盗られ男の破滅的傾向や絶望を、狂気を交えて克明に描かれる作品にはある。大好きなタイプの地獄です。

 

個人的に愉悦だったくだりを羅列しておきますね。

  • 寝取り男二人と雑魚寝することになったじょうじさんが二人の目を盗んでナオミの足の甲に口付けるくだり
  • 寝取り男五人衆が半裸のナオミを囲んでおり、そのうちの一人が足を払ってやった時主犯格の男が「そのまま口をつけたら“パパさん”になっちまうぜ」といって笑うくだり
  • 自宅に帰ったら寝取り男の一人が我が物顔で寝ており、問い詰めたら「僕も被害者なんです!」と世迷言を抜かすが、じょうじさんは「なんだって!君も被害者だったのか!ゆるそう!」と許してしまうくだり
  • ワキガのロシア女のためにダンス教室に通うくだり
  • ナオミがブサイクのことを悪しざまに陰口するが、女優でありまことの美女である綺羅子はそれを「まあ」とか「あら」などといって巧みに悪口に加担せずナオミをいい気にさせて喋らせまくるくだり
  • 寝取り男と友達になって、ナオミが仲間内で「共同便所」と呼ばれているのも知らずあれこれナオミの話をするくだり
  • 女手一つで自分を育ててくれた母が死に、郷里に戻って母の亡骸や懐かしい風景を見て「俺はもうあんな売女と付き合うのはやめよう!玲瓏な人間となったのだ!」と決心するも、東京に戻ってナオミに会ったら「ヨリを戻してくれ!!!」と懇願するくだり
  • 自分から四つん這いになってナオミに馬乗りになられた所に吐き捨てるようにヨリを戻す不平等条約(何でも言う事を聴く、いくらでも金を出す、好きなことをさせる、いちいち干渉しない、ナオミさんと呼ぶ等)を突きつけられ、その全てに唯々諾々と従うくだり。

 

この物語で誰が一番悪いか見えて来ましたね?

 

僕はNTRが好きなんじゃなくてそういうのが好きなの。勘違いされてはこまる!

すんこくんわかったかな?