かぜはく電脳曼荼羅

玄秘学、食文化、ゲーム、生と死に非常な関心があります。

室礼の試み -人類に争いを齎すおいしいプロテイン-

極端なイージーゲイナーである僕は、プロテインを避けている節があった。

 

本気で運動やトレーニングに取り組んでいた時に様々なプロテインを試したが、みるみるうちに足は丸太のごとく太くなり、コンクリートブロックみたいな胸筋になったり、菩提樹みたいな上腕が出来たりしたからというのもある。

ただそれ以上に、プロテインを飲むこととトレーニング効率を高めること、コストパフォーマンスを考えた結果プロテインを飲むことにいまいち意義を見いだせなかったということもあった。

遊び歩くお金が必要でしたし……。ネトゲもしないといけなかったし……。

 

しかし今また健康維持のためにトレーニングを生活に取り入れたことで、僕の中でのプロテインに対する接し方が変わりつつある。

社会人の限られた可処分時間の中で、トレーニングを効率化するためにはプロテインは欠かせないのだ。

だからプロテインを取り入れることで、コストはかかっても時間あたりの効率、MPS(マッチョ パー セコンド)を高めることが出来ると考えた。

 

プロテインを選ぶ際に重要な指標はいくつかある。

グラムあたりのプロテイン含有の高さだとか、味の良さ、腹持ちのよさ、溶けやすさなどあるわけだが、最初にこれだけは言っておく。

 

プロテインは美味くなればなるほど、プロテイン効率は落ちる!

いわば装飾性を高めて実用性を捨てたみたいな、儀礼用刀剣というか、見た目装備というか、そういうものになる。

効率を求める人はWPI(ホエイ・プロテイン・アイソレート)製法のプロテインとかを飲みましょう。

僕はグロングがおすすめ!(家内は香り嗅いで「なにこれ罰ゲーム?」って言ってたけど)

 

WPIだし味は(慣れれば(まあ))悪くない。

 

 

そうはいっても別に僕効率厨じゃねえし、異様に効率に固執してすんこくんみたいにほとんど違法サプリ飲んだりとかあえて太る剤を投与したりはしないですしね。

つうかすんこくんはほとんど違法サプリを飲む前に飯を腹十二分に食え。

 

そんなわけで僕がうますぎプロテインとして紹介するのはこいつだ。

明治SAVAS リッチショコラ味だ!!!!

 

 

ザバスはどこでも売ってますよね。

いや僕が積極的にプロテイン飲んでたときはあんまり種類なかったんですよ。

それが今やたくさんの種類が出てるじゃないですか。抹茶味とか。

どこでも買えるっていうのは実際凄いことですよ。始めようってなったときにすぐ始められるんだもん。

プロテイン効率のいいプロテインというのは、ちょっとマシなスポーツ用品店とか、アングラマッチョバーとかでないとコンスタントに手に入れられないのが問題なんだ。

ま、今の時代はAmazonがありますが……。

 

このリッチショコラ味は従来のココア味よりもかなりココアしており、リッチかと言われればそこはかとなくリッチなような気もするしショコラと言われれば朧気にショコラのような気もしてくるのだ。

 

しかしながらこのリッチショコラを試飲した家内は、「甘すぎる。ショコラと言うにはビターさが足りない。……ココア足しちゃえ!!!」

といきり立ち、明治ザバスと森永の純ココア悪魔合体させ始めたのだ!!!

 

ドサドサいうほどに大量のココアがプロテインと混ぜられていく光景!

気の弱い読者やストイックなトレーニーが見れば失神してしまうであろう冒涜的な、神(筋肉)をも恐れぬ瀆神行為!!

かぜはくは恐怖し、しめやかに失禁!!!

 

出来上がったものは禍々しい雰囲気を漂わせながら、僕の前にその姿を表した。

一口飲んだ家内が「えっ?これは……?」と顔をしかめる。

僕は今にも正気を手放してしまいそうな恐怖の中、ほんの少しの勇気を取り戻して、それにすがるようにしてシェイカーを手に取った。一口飲む。

 

「スタバやんけ!!!!!!!」

 

 

スタバだった。

言うなれば凍っていないチョコ系フラペチーノのような、濃厚な甘みとビターなココアの味を伴った、暴力的とも言える味わい。いや、これはもはやプロテインではない。

 

プロメテウスの火やんけ!!!!!!!」

 

僕は言い直した。

あるいはエデンの果実だ。そう思った。これに手を出してしまえば、もうそれ以前の世界には戻れない。アダムとイヴが羞恥を知り、楽園から追放されたように、プロメテウスがギリシャ人に火を教え、世界に争いが満ちたように…‥…。この元プロテインだったものは、世界(プロテイン)の理を無茶苦茶に破壊し、そして新たな存在が、概念が、絶対的な優越物がそこにあることを知らしめた。

 

だめだ!こんなものに手を出してはトレーニーとしての自我が崩壊してただプロテイン常飲おじさんになってしまう!やめろ!何をするんだ!!!その手を離せ!!!!!

 

コンゴトモヨロシク……」

 

邪悪な声が僕の脳裏に響いた。

お前なのか?プロメテウスの火

 

それ以降、僕はプロテインの時間が楽しみで楽しみでならなくなった。

味がよく、腹持ちもよく、おまけにタンパク質が豊富。

唯一の瀆神的添加物と思われるココアについても、よくよく考えてみればココアの原料はカカオである。つまり豆。要するに、ココアはプロテインなのだ。ホエイプロテインソイプロテインカゼインプロテインほどではないがアーモンドプロテインなどのプロテインもある。

つまりプロテイン×プロテインでこれは素晴らしい配合なんだよ!!!!

その証拠に森永の公式では次のように純ココアについて書いてある。

栄養成分[ 1杯 (5g) 当たり ]
エネルギー:18kcal
たんぱく質:1.1g
脂質:1.2g
炭水化物:2.1g
 −糖質:0.7g
 −食物繊維:1.4g
食塩相当量:0.001〜0.007g

 

見ての通りどこからどう見てもプロテインである。古事記にも書いてある。

 

僕の体は“プロメテウスの火”によって変えられてしまった。しかし僕はそれについて、どこか喜んでもいるのである。