婦系図
読了。
ドイツ語翻訳師の俺が師匠に内緒で芸者と結婚した結果wwwwwwwwwwwみたいな内容。
明治モテモテロマン譚。
とにかく主人公の身持ちが悪い。出てきた適齢期の女全部落としていく。最初から落ちてるやつもちらほら。
絶対すぐ褥の中で夜のドイツ語講習ですよ。息をするようにイッヘリーベディヒ。
これはドイツ語でペニスと言うのです。さあ言ってご覧なさい。
みたいな、な!
鏡花とは思えんくらい読みやすい。もしかしたら僕が慣れただけなのかも判らんが。
鏡花のあの幽玄な文体というのを、自分の文体の中に取り入れてみようと思っているのだが、(こないだのTRPGはその試金石的な)何にせよもう少し読み込む必要があるように思われる。
三冊読んでやっと頭が慣れてきたという感じか。
ていうか書き方が独特なだけで、内容は言ってしまえばラノベと大差ないんだ。
ヒロインにモテモテになっていい感じになるという流れだ。
僕のイチオシヒロインは妙子ちゃん!ベストオブいい子。
でもその父親はちょっと。
「俺を捨てるか、女を捨てるか二つに一つだ!」などと息子同然の弟子に言うのはどうか。
お前ホモかよぉ!
いやまあそういう話ではないのだが。時代柄時代柄。
紅葉が死んだらちゃっかり嫁を呼び戻すあたり、鏡花ちゃんすきー!
それに比べて『婦系図』の早瀬主税は……。
最後の逆捩じをやるところは格好よい。それまでの人間的な、根本の部分での早瀬主税が明かされる瞬間で、単純にカタルシスある。
どこが違うかというとそれはまあ、筆致という他ない。
それを盗むために鏡花を読んでいるのだ。
何にせよもう少し読む必要があるなー。
といいながら息抜きに新書を読む俺様。