かぜはく電脳曼荼羅

玄秘学、食文化、ゲーム、生と死に非常な関心があります。

あのあれ12回 ニュージーランド アメリカ オーストラリア 

新世界はだいたいやや低緯度に位置する。

旧世界と勝手が違うので、その産地の中で冷却効果がどこにあるか探しに行くツアーです。

 

品種はだいたい一緒
ピノ・ノワール 冷涼から温和
カベルネ・ソーヴィニヨン 温和から温暖
メルロ 温和から温暖
シラー 温和から温暖
グルナッシュ 温暖

 

問題!それぞれの品種にふさわしい気候条件は?

みたいなのが出る。

上記の気候を答えるだけでもいいし、より詳しくシラーが風に弱いとかカベルネが海の影響がある温暖な気候、たとえばイタリアのボルゲリやオーストリアのマーガレット・リヴァーとかのように詳しく答えてもいい。

 

ニュージーランド

海洋性気候が基本。

海に囲まれてて見るからに海洋性だよね。


日照量、日照時間が長い。
ここに限らず南半球は紫外線強すぎ。UVがヤバい!!

→影響としてはブドウの果皮が分厚くなってタンニン、フェノリック強めのワインになる。

海からの風があるので夜間の気温下がりがち。
昼はゲボ暑だけど夜涼しい→昼夜寒暖差大きい!

偏西風が来るのだが南アルプス山脈があるのでニュージーランドの東側は守られる。→例外はあるが東側に産地多くなる。

ニュージーランドでは北が暖かくて南涼しい。 

南半球で南北逆になるからね。

いかにもほかいどうみたいな形して涼しそうな北島だが、実はボルドーみたいなワインが生まれる。

 

ニュージーランドは雨が豊富で土壌が肥沃。→栄養多いので樹勢強くなる傾向。

樹勢が強くなる弊害は?

・収量と品質のバランス崩れる。
・葉が多くなりすぎて太陽光遮られる。

 

樹勢を管理するためには?
・棚つけ
・キャノピーマネジメント(ニュージーランドの最重要ファクター)

 

ニュージーランドで用いられる黒ブドウ品種
ピノ・ノワール(重要)
→南島全域、マーティンボロ

カベルネ
・メルロ
・シラー
→ホークスベイ

 

マールヴォロ

ソーヴィニヨン・ブランが大半。
冷涼な海洋性気候。
涼しいが日照時間2400時間ある。
日当たりよい。
山に囲まれてて年間降雨量650mm。
水はけも良い。

 

ホークスベイ
2番めに大きい
NZの中で最も温かい。最も日照長い産地の一つ。(温和)
ボルドーブレンド。シラーも有名!

土壌も標高も方角も様々。
ボルドーに似てる。ちょっと涼しいボルドーって感じ。

多様なワインスタイル。
ギムレットラヴェルズ(最高に恵まれたエリア)などが有名。

 

ワイララパ
冷涼な海洋性気候。
特に有名なのがこの中にあるマーティンボロ地区。
高品質ピノの産地。ニュージーランドTOP100ワインで頂点とったアタ・ランギとかがあるとこ。
日中は暑い。けどクック海峡からの強い海風で夜は涼しくなり、日較差は最大。
風が強すぎて単位収穫は少ない。

冷却効果は海風。

セントラル・オタゴ
ニュージーランドの産地で唯一内陸部になる。→ニュージーランドだけどここはなんと大陸性気候!
プレミアム価格のピノの産地。
凝縮した風味でアルコール高め。
日照は非常に強い。
でも標高も非常に高いので、日較差とても大きい。

冷却効果は標高。

 

アメリカいきま〜〜す。
アメリカ(西側)
生産量の9割はカリフォルニア。
AVA(American Viticultural Area)ってのが数多くのソムリエの卵を苦しめたね。

 

カリフォルニア
地中海性気候(ちょっと驚きですよね)
夏は温暖で冬は雨が降る。
秋には雨が振らないので収穫も健全!

海に近いかどうかがカリフォルニアでは重要。
普通の産地では北か南かが重要なのだが、そんなことより海からの影響があるかどうかがとにかく重要。
カリフォルニア海流のお陰で海に近ければ近いほど涼しい。
雨不足が課題→灌漑の必要がある。
必要最低限の水を必要な場所に→点滴灌漑(ドリップイリゲーション)。

 

ナパヴァレーを見ていきまあす
ところで標高上がれば100mで0.6度下がるのであった。
でもナパではその通りにいかない!!ここが面白いっすねえ。
ナパでは標高低いほうが涼しい。それが何故かということを見ていきましょう。

カリフォルニア湾流の海水がつめてえのだが、内陸は暑い(カリフォルニア内陸部は砂漠気候)。
じゃあどうなる?

①山の上の温かい空気が上昇気流で上がる。
②海の冷たい空気も上昇気流で上がる。
③山の中腹で霧が発生する
こうなると日照抑えられて涼しいし、夜も涼しい。
空気の流れは暖かい空気上昇気流で山から海に。冷えた空気は海から陸に。

ロス・カーネロスやスタッグス・リープは標高低いけど冷却効果高いってことですね〜。

標高高い霧の影響を受けない産地は温暖になる。
でももっと高いところは標高の冷却効果で涼しい。

これってすごく面白いよな……。

 

東側西向き斜面 こっちが暑い。午後の日差し受ける
西側東向き斜面 
南涼しい(霧の影響)

 

・ロスカーネロ
最も南で標高低い。
でもサンパブロ湾に近く冷涼。ピノノワールシャルドネが有名。

 

・スタッグスリープ・ディスクリクト
・オークヴィル
・ラザフォード
内陸に行くほど湾の影響少なく暖かくなる。
力強く骨格のあるプレミアム赤。

 

セントヘレナ
カリスト
もっとも湾の影響少ない。→温かくなる。
非常に凝縮したフルボディなカベルネの産地。

 

ハウエルマウンテン(西向き)
マウントヴィーダー(東向き)

この二つの産地は霧よりも高い。
標高が気温を下げる要因になる。
カベルネの産地。


谷床の産地はより軽い。でもタンニンは多い。

ポイントは霧!!!!ってことです。FF9やりたくなってくるね。

 

ノースコースト地域
メンドシーノ郡
アンダーソンヴァレー(メンドシーノの中では突出していいワイン)
川流れてて川から冷涼な冷却効果が海からINしてくるインシテミルって産地。

 

ソノマコースト
冷涼でピノ・ノワールが向いてる産地。
ロシアンリヴァー・ヴァレー→最もプレミアムなピノが生み出される!
ペタルマ・ギャップという海風が入ってくる隙間があってここだけなんか涼しい。

 

アレキサンダーヴァレー
カベルネで有名。温暖で南東向きの産地。

 

ドライクリークヴァレー
ジンファンデルで有名な産地。
ドライクリーク(川)でいい感じにちょっと涼しい。
完熟したジンファンデルが算出される。


セントラルコースト地域
モンテレー
アンダーソンヴァレーに似てる産地。
サリナス川沿いに産地があり、海からの影響でいいピノが出来る。
お内陸では温暖なピノもあります。

 

パソ・ロブレス
カベルネ、メルロ、ローヌ系
大量生産もいいのもある産地。

 

サンタバーバラ
海岸山脈の影響で冷気が入ってくるので涼しさが集まってる産地。
ここは断然ピノ!!

 

太平洋沿岸北西部

オレゴン州&コロンビア州

ウィラメット・ヴァレー
オレゴン州ポートランドあるとこ。
温和な地中海性気候。
海風の湿気を含んだ風を防ぐ。

高品質ピノ

 

ワシントン州
コロンビア・ヴァレー
99%がコロンビア・ヴァレーAVA
カスケード山脈が西にあるのでばりくそに乾燥している産地。
海の影響を遮っているので、何が起こっているかというといつものやつ。
大陸性気候で日較差大きいってこと。

 

オーストラリアいくぜ!!
イギリスと密接なつながりがあるんすから……。

つまりどういうこと?イギリス資本の「あのあれ」はこの産地のこと贔屓するんすから……。

激アツ産地(温度の話)。
スーパーゾーン(州をまたいでるワイン産地)っちゅうのがある。

超広域地理的呼称「サウス・イースタン・オーストラリア」

オーストラリアは大きい川たくさんあちこちに点在しており、この川から灌漑しとる。
冷却効果を探しにいく旅がまた始まります。


基本的に海側にワイン産地ほとんどある。

だいたいどこでも水不足、雨不足で水がたりねえーな産地で、灌漑どうやんだよってことに頭を悩ませている。
しかも温度も日照もやばいので、山火事が起きてスモークペイント(独特の煙臭がブドウにつく)も起きるしやめてくれマジでな産地。

 

サウスオーストラリア州
大半の産地が集中しているところ。

 

バロッサ・ヴァレー
温暖で乾燥している。
古木のブッシュバインで育てる。
シラーズ、カベルネ、グルナッシュの産地。

 

イーデン・ヴァレー
標高高い。冷涼から温和な産地。
シラーズの産地。
ヘンチキとかヒル・オブ・グレイスなんかがあるとこ。

 

クレア・ヴァレー
山側で標高高い。
昼夜の寒暖差大きく、温和な産地。
シラーズ カベルネなど。

 

マクラーレンヴェール
海に近い産地で南からの涼しい風がある。
平坦で午後に吹く海風が行き渡るのがイイネ! 

温暖でシラーズ、グルナッシュ、カベルネ、メルロなどよく育つ。
アデレードの南35kmのとこにある!

 

アデレードヒル
温和で標高高い。
ピノの産地。

 

クーナワラ
内陸にあるが遮るものがないので海からの影響大。→温和な海洋性
テラ・ロッサ土壌ってのがあるとこ。→石灰岩のサブソイル(底土)、下の土、酸化鉄、赤土、アルカリ性などで樹勢抑えることが出来、しかも石灰岩の硬いやつの効果で根っこが下までいかない!すげえよここ。
古朴になるとめっちゃレベル高い!!!!
水はけよい。
カベルネ、シラーズ、メルロなどの産地で、やや温暖なボルドーな印象。

ニューサウスウェールズ
ハンターヴァレー
シドニー近いとこ。
高温で多湿→雲がいっぱいある。
ミディアムボディのシラーズの産地。
日照少ない……なぜなら雲あるから。でも高温。
あんま今までなかった産地。
どことなく日本っぽい気候。

台風も来るらしいしな

 

ヴィクトリア州
ヤラ・ヴァレー
冷涼から温和な海洋性気候。
様々な標高と方角。
ピノ・ノワールの産地。

 

モーニングトン半島
ジーロング
ここもピノノワールの産地
メルボルン近い!
ブティックワイナリーが多く、セラードアがほとんど(ワイナリーに直接買いにいく→輸出にまわんない)。

冷涼から温和な気候で生育期に雨風が多い。
ゆっくり熟成上質ピノだが、雨多いのでヴィンテージ個性かなりある。
ジーロングはシラーズも有名。

 

ヒースコート
ゴールバーンヴァレー
グレートディバイディング山脈があって標高高いぜ。
温暖でシラーズやカベルネがよく育つ。
ヒースコートの標高高いとこでは上質なシラーズも。

 

タスマニア島
冷涼な海洋性気候。
オーストラリアで冷涼スタイルのピノといえばここ!!

かぜはくはここかなり好きです!!

 

西オーストラリア
マーガレット・リヴァー
温暖で地中海性気候。
ボルゲリみたいなとこ。つまりボルドースタイル。

 

グレート・サザン
温和よりの乾燥、大陸性気候。

 

マウントバーカー
フランクリンド・リヴァー
完熟して酸もある。でもフレッシュ系もある。

海からも近いし標高もある。

 

オーストラリアってどんなとこ?

アメリカが独立したあと、イギリスによってアメリカに変わって流刑植民地にされたとこ。

先立って南アフリカも流刑植民地だったんだけど、人間がいまいち適応できなかったのでオーストラリアが新たなる軽植民地となった。

すでに植民地になってるとこに囚人を移動させて労働力にするんですね〜。

でもその他にも貧困層とかがオーストラリアに移住させられたらしい。

 

このとき流行したのが白人によるアボリジニ先住民族)のスポーツ・ハンティングで、人間ってとんでもねえ残酷なことを時折カジュアルに実行に移す例だと捉えています。