かぜはく電脳曼荼羅

玄秘学、食文化、ゲーム、生と死に非常な関心があります。

あのあれ8回 南ローヌ スペイン ちょっとポルトガル

ちょっと土壌の種類についてメモ。

まず大まかにわけで3種類ある(詳しく言うと3種類どころじゃないので詳しくは言わない)
1 火成岩
火山岩(マグマが急冷)ヴォルカニック・ロック オレゴンシチリア、トカイ
深成岩(スレート) 花崗岩

2 堆積岩
石灰岩 炭酸カルシウム、生物起源だったりもするし、水に含まれるカルシウムが堆積したものだったりもする。
凝灰岩 火山灰や軽石が堆積
砕屑岩 地表の岩石が風化侵食して出来た粒子が堆積したやつ。火山砕屑岩とかがあってややこしい。

3 変成岩 
シスト 粘板岩のこと。スレート。泥岩とか頁岩がギュってなったやつ。堆積岩が変性したもの。
片麻岩 片麻状組織を持つやつ。いろんな岩が変成作用で変化したやつ。

 

土壌は粒子の粗さによって呼び名が違う!
粘土質土壌   0.002mm
シルト     0.002mm~0.02
細かい砂    0.02mm~0.2mm
砂       0.2~2mm
砂利      2mm~


南ローヌ
温暖な地中海性気候。地形は平坦。
ブドウは多品種のブレンドが多い。
ミストラルの影響あり。
仕立てはグルナッシュ……低く株仕立て 風に強い
シラー 垣根仕立て 風に弱いので!
南ローヌはクオリティ超ピンキリ!

 

★なぜこの地域では有機栽培が多いのか?
ミストラルやらの風が吹いており通気性がいいため病気の心配がない。有機栽培しやすい。

 

主要な黒ブドウ品種
グルナッシュ
シラー
ムールヴェードル
サンソー

主要な白ブドウ品種
グルナッシュ・ブラン

ローヌ川流域北部のブドウ

グルナッシュ
最も広く栽培される。干ばつにつよい。晩熟。

スタイルは中程度の色で、赤系果実、柔らかいタンニン、低い酸、高いアルコール、ミディアム〜フルの赤になる。
ジャミーになりやすい。

醸造の際、酸化しやすい品種。
すぐに除梗と破砕を行う。発酵前マセレーション。風味と色素を抽出する。

 

シラー
色とタンニンを補うために使われる。北のシラーとの違い→南の暑さで特徴が薄れる(黒胡椒アロマとかが薄れて果実味UP)

 

ムールヴェードル
色、タンニン、肉のアロマなどの複雑さ、熟成能力を持つ。超晩熟。→シャトーヌフ・デュ・パプの高価格帯などに好まれる。

 

サンソー
フレッシュな赤系果実の風味を補う。ロゼで重宝される。

 

白の大半はブレンド。酸味は中程度以下、濃厚フルボディな白ワインとなる。
グルナッシュ・ブランとかだよ。


グルナッシュの醸造オプション
・ロゼ 
 直接圧搾(淡い透き通ったロゼになる)、あるいは短期マセレーション(漬け込みを行うことで色の濃いロゼになる)。
・シンプルで低価格なスタイルのときは……。 
 機械収穫、ステンレスやコンクリタンク。発酵前マセレーション。比較的低い温度で発酵。ステンとコンクリで短い熟成。
・複雑で高価格のスタイルのときは……。 
 手積み。開放式タンク、古いオーク樽で発酵。温度高め。発酵前後のマセレーション。果房管理をしっかり行い、フードルで長期間熟成。


コート・デュ・ローヌ
ローヌ全域で作れるけど北部で作るコート・デュ・ローヌはほぼない。
南ローヌ生産量の半分以上を占める。
赤が大半。白、ロゼもある。
ミディアムボディ、フルーティでシンプル。

 

コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ
指定された村。コートデュローヌより基準厳しい。
最低アルコール度数、収量、ブレンド比率など。
指定の村は100%の場合名前をラベル表記して良い。 セギュレ村とか。フランスで最も美しい村とか言われているようです。

 

シャトーヌフ・デュ・パプ
AOC制定のきっかけ。
シャトー・ヌフ・デュ・パプって書くやつは素人。

比較的平坦だが地形土壌はバラエティに富む。
13品種使える。→様々なスタイルが生まれる!ニュービーソムリエ殺しだよねヌフパプって。
ギャレ・ルーレ(ヌフパプの土壌ででかい石いっぱい。略してデカパイ)
グルナッシュがブレンドの主体になり、フルボディで高いアルコール、それに匹敵する凝縮した果実風味。長期熟成の能力を持つ。

 

タヴェル & リラック
タヴェルはロゼ特化。グルナッシュ主体だがサンソーも重宝。新鮮さを表現。
プロヴァンスのロゼよりずっとボディと風味が強い。

リラックはお値打ちながらボディと凝縮度のある高品質なワインが多い。

 

ジゴンダス & ヴァケイラス
シャトーヌフ・デュ・パプに近いスタイル。
知名度低く、価格もお手頃。お値打ちで高品質。
玄人好み。ちょっと冷涼産地。

ここをひとまとめにするのはちょっと暴力的な気がするなあ〜。

ジゴンダスは結構パワフルだし、ヴァケイラスはハーブ香はっきり感じるよね。どっちもケモっぽくて僕は好きです。


フランス南部
温暖な地中海席気候

フランス南部は地中海性気候が多くてええわい……。地中海のワイン大好きだよ。

・地形
沿岸部 平野部。乾燥。 大量生産向き。
内陸部 丘陵地、より冷涼。痩せた土地。

 

・風
ミストラルとトラモンタン(北風のこと)。

 

・干ばつ。暑いしここの干ばつはやばいぜ。

 

★なぜこの地域でIGPワインが重要なのか?
ペイドックめちゃ多いよね〜〜。
国際品種ガンガン使ってOKなのがIGPなので、非常に柔軟な産地。平坦で機械収穫出来て必勝多く乾燥している……安くて完熟!!気候にも環境にも恵まれている。ぶっちゃけ売れている産地。

 

地元の品種

カリニャン
色、タンニン、酸味を補う品種。
極めて多産。収量の低い古木から高品質なワインが生まれる。

 

白ブドウ
ピクプール
高い酸、レモン、青りんごのアロマ、牡蠣とのペアリングで人気。
ロンドンでバカウケ。

名前が可愛い。

 

国際的品種について
IGPワインで活躍。大部分を占める。


コート・ド・ルシヨン
ピレネー山脈の裾野。
起伏が激しい。標高高く、風も強い。乾燥していて日照強い。

 

コート・ド・ルシヨン・ヴィラージュ
ルシヨン北部
やや標高高い。オーガニックも多い。

 

フィトゥー
内陸と海側に分かれている産地。飛び地。
内陸は痩せていて高品質。

 

コルヴィエール(フランスAOCの中でも屈指の広さ 10000Ha以上)
沿岸部と丘陵地でスタイルが異なる。
クリュがいくつかありその中でも特にブートナックが有名。

コルヴィエール・ブートナックものすごくいいよね。ジューシーで果実味が強くて、ボディ感が強くて……。

 

ミネルヴォワ
内陸。標高高い。
ここの有名クリュはラ・リヴィニエール(ブートナックと合わせて出るかも)。

 

ピクプール・ド・ピネ
海風の影響でめっちゃ暑くはならない。
ピクプール100%のみで作れる。
高い酸、地元の魚介との相性よし!

名前が可愛い。

 

プロヴァンス

コート・ド・プロヴァンス
丘陵地帯でミストラルから守られている。
大半がロゼワイン。淡い色、ライトからミディアム、ドライ、赤系果実のフレッシュで繊細な風味。


バンドール
段々畑(レスタンク)
南向き斜面。豊富な日照。
晩熟なムールヴェードルが完熟する!!
超長期熟成が可能な偉大な赤ワインが生まれる!
濃い色調、高い酸、タンニン、完熟した赤系果実、甘いスパイス、肉のアロマ。

バンドールすき!日本ではなかなかお手軽なバンドールに出会えないが……。


スペイン
突然ですがスペインに行きます。
バチクソボケカスに広い。
スペインにおける3つの気候ゾーン
①地中海性気候 東部 温暖。南の方が高温。 カタルーニャ
②大陸製 中央部。夏暑く冬寒い。 ルエダ リベラ・デル・ドゥエロ、ビエルソ
③海洋性 北西部 大西洋の影響で雨多い。ガリシア リアスバイシャス

 

スペインでのブドウ栽培で最も大きな課題
暑さと水不足。これにどう対処するか?
①植密度→低くして一本一本の木が得られる水の量を最大化。
②株仕立て→葉で日陰を作る。

 

・ガルナッチャ
フランス南部同様のスタイル。フランス南部と同様のスタイル。★ロサード(ロゼ)も有名!

 

・テンプラニーリョ
温暖な土地に向く。でも暑すぎると酸がなくなる。夜間に気温が下がるエリアが主産地。
リオハ西部、リベラ・デル・ドゥエロ、中程度の酸、赤系果実のアロマ。

テンプラニーリョとカリニェナ混ぜて酸をいい感じにするぜーーーー!!


カタルーニャ地域
DOカタルーニャ
でかい産地。それ以上言うことはない。

 

DOペネデス
沿岸部から丘陵地帯まで続く。広いエリア。

・気候
沿岸部高温。 

中腹は温暖。

最上部は温和。
このように3つの気候帯に分かれる!!

だからいろんなワインが沢山あって、ざまざまなスタイルがあって驚きをもって楽しめる。

地元品種に加え、国際品種も用いられ、バラエティに富んでいる。
バルセロナに近いので大都市向けに大量生産もされるぜ!

 

DOQプリオラート
カタルーニャを代表する最も個性的な赤。
古木のガルナッチャとカリニェナが中心。
・温暖な大陸性気候(注目!!!!!山の中だからカタルーニャだけど大陸性気候。)
・急斜面
・リコレーリャ(スレート土壌のこと。頻出問題!!!)収量低すぎ。Haあたり10Ha切ってる

 

スペインその他
アラゴン州
カリニェナ カラタユ

リオハを流れるエブロ川を下った南側のエリア
温暖な大陸製気候、とても乾燥している。
プリオラートに似た特徴。でも急斜面ではない

 

バレンシア州
カタルーニャに似ている。より温暖で乾燥。地中海性気候。
メルセゲラ種

 

ムルシア州
フミーリャとイエクラ。
バレンシアの内陸。高温、乾燥、大陸性気候。
モナストレルが大半を占める。古木。

 

スペインの主要な白ぶどう品種
ビウラ(マカベオ)
CAVAの主要品種。非発泡性の場合、りんご、レモン。繊細なハーブや花。オークを使わないスタイルと、オークスタイル(リオハ)がある。
ヴィーニャトンドニアってとこが高品質チャレッロを作っていますよ〜〜。

 

アルバリーニョ
皮が厚くて病気に強い。雨の多い北西部に適している。
高い酸味、シトラスやモモの風味。ミディアムからフルボディまで。
オークを使わないスタイル。

僕はこれはカニカマの天ぷらにあうと思っています。

 

ベルデホ
スペイン中央部、ドゥエロ川沿いのルエダは今やスペインで最も人気な白ワイン産地。

こいつは山菜料理。


ポルトガル
ヴィーニョ・ヴェルデ
・アルバリーニョ モンサン・エ・メルガッソでは100%で作ってるぜ。
・ロイレイロ レモン、洋梨、母のアロマ
・アリント 高い酸、よりニュートラル。

辛口またはオフドライ、新鮮なりんご、柑橘の風味、高い酸、低いアルコール、わずかに発泡。

 

えっポルトガルもう終わり?

実は歴史古くてめっちゃ面白い産地なのに〜〜〜〜。

 

チャレッロの話でもするか……。

この間エンリック・ソレールって作り手のチャレッロ100%のスティル・ワイン飲んだんですよ。

チャレッロはよくカヴァで飲みますので、基本的にフルーティで果実味があってフレンドリーなタイプだと思ってたんです。

あんまりスティル・ワイン(非発泡性ワイン)には使わんと思ってたので、まず非常に興味をそそられた。

で、飲んでみてまたびっくりしたんですけど、シャルドネみたいなんですよね。

それも凡庸なシャルドネというよりは、ムルソーというか、シャブリ・グラン・クリュというか、かなりリッチなスタイルのシャルドネの風味があった。

これがなぜかというと、チャレッロは醸造方法によって味わいを変えることが出来るニュートラルな風味があるからで、樽の要素である第三アロマを阻害しない。

たとえばアロマティック品種であるソーヴィニヨン・ブランなんかは、それ自体が強いアロマを持つため、スパークリング・ワインなどにした際はこの香りが第三アロマ(この場合は酵母の自己分解の香り……ビスケットの香り)と相性があまりよくない=引き立たない。

なのでソーヴィニヨン・ブランを泡に仕立てるときはステンレスタンクでシャルマ方式にしたりして自己分解の香りをかなり控えめか、ない位にする。

 

そういう意味ではチャレッロはすごく第三アロマと相性がよかった。

ムルソーは言い過ぎだけど、最近の地球温暖化の影響を受けてリッチ化しつつあるマコンのかなりいいシャルドネみたいな風にも感じ、それでいてスペインらしい凝縮感もあり、非常にいいワインだった。

スペイン/カタルーニャのワインでインプロヴィサシオ、作り手はエンリック・ソレール。インポーターはディオニーです。

気になったら飲んでみるとよい。