かぜはく電脳曼荼羅

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あのあれ7回 ブルゴーニュ地方とボージョレ地方の赤、およびローヌ川流域北部の赤白

セッション7
ブルゴーニュ地方とボージョレ地方の赤、およびローヌ川流域北部の赤白

 

温和な大陸性気候の生育条件
生育期間の平均気温は16.5%〜18.5%
温かい月と寒い月の寒暖差は最大になる。
湿潤か乾燥かというと乾燥している。

 

ブルゴーニュに気候に関連した天候被害
①雨 開花期と収穫期 品質に大きな影響がある。→灰色かび病になる
②春の霜害 芽が凍ってしまって芽吹かなくなってしまう
③雹 直接的なダメージ

 

ブルゴーニュでの黒ブドウ栽培における畑の選定を決める要素はなにがあるか。
①斜面(中腹がよい)。空気の循環があり霜の被害が起きにくい
②方角 東から南。これは偏西風から保護される方角。冷たい風に当たらない。
③水はけ 浅い土壌。

畑をいくつか持つのもあり。リスクヘッジです。

 

主要黒ブドウ品種
ピノ・ノワール
栽培
・早熟。
・病気に弱い。
・水はけのよい斜面中腹の粘土石灰質土壌が最良。高密植で収量を抑えると良い。

スタイル……淡い色調、赤果実アロマ、高い酸、低ー中程度の柔らかいタンニン。熟成によってキノコ、肉のアロマが出る。

言わずと知れた……感。

 

ガメイ種
栽培
・早熟
・多産で収量が品質に大きく影響する。→痩せた花崗岩土壌がベスト。
・株仕立て、または短梢剪定→VSP
・手積みが基本。ヌーヴォーにするため全房発酵(マセラシオン・カルボニックのために全房が必要)。手積みしないとだめ。→なんで?→機械収穫だと果房に傷がついて半炭酸ガス浸透法が使えないから。

スタイル……ラズベリーやチェリー、中程度のタンニンとボディがある。

炭酸ガス浸漬法(CMカルボニック・マセレーション)
 ・密閉、炭酸ガスで満たす。
細胞内発酵……ブドウの実の中で発酵が起こる。アルコール2%くらいまでいく。
ブドウの実が潰れてジュースが出てくる。色、アロマも出る。早い段階で味わいと色が出るぜ。

・半炭酸ガス浸漬法 (Semi-CM)
タンクいっぱいに房ごと入れる。自重で潰れて下のほうがアルコール発酵を始める。→その際に出たCo2がカルボニック・マセレーションを促す。

・房ごとのブドウと破砕したブドウを使う方法
 ・破砕したブドウが全房ブドウを覆うため酸素から守られる。

★いずれの方法でも花梗(茎も)が十分に熟していることが重要。


なぜ全房発酵がピノとガメイで使われるか?
ピノセミマセラシオンカルボニックが多い。

 

次生産区分というかAOCのはなし〜

ブルゴーニュ・ルージュ
一般的。ブルゴーニュだったらどこで作ってもOK

・オート・コート・ド・ニュイ
オートは「上」の意味。

・コート・ド・ニュイ・ヴィラージュ

・コート・ド・ニュイ

その他死ぬほど言われてる上級ヴィラージュ。

 

プルミエ・クリュ全体の10%
グラン・クリュは全体の1%

プルミエクリュ同士は混ぜれるけど、グラン・クリュは混ぜたら死刑。


次コート・ド・ボーヌいきま〜す。

ボーヌのほうが出そう。(癒着してるから)
ボーヌは赤も白もある。

村名アペラシオン

・コート・シャロネーズ
ボーヌよりも南、マコンより北。

ブルゴーニュ・コート・シャロネーズ
この地区で生産されるPNは全て名乗れる。

・リュリー
白が有名 成熟度低い

・メルキュリー
評価が高い赤の産地
200-300m程度で起伏に富んでおり、深い色調、ボディがある。熟成もできる。

・ジヴリ
赤で有名
メルキュリより軽い

僕ここすき!

 

シャロネーズのほうが南なのに標高高い!

 

ボージョレ
エリアによっての個性。

AOPボージョレ
ボージョレ南東部 平地で肥沃なエリア。

ボジョレー・ヴィラージュ
花崗岩、シスト土壌。北西部
なだらかな丘陵地帯。日照。水はけがよい。

クリュ・ボージョレ10あるけど4つだけ覚える。
ヌーヴォじゃないのは炭酸ガス浸漬法使わないこともある地域。

・ブルイイ
フルーリー
アロマティックでやや軽い

・モルゴン
・ムーラン・ナ・ヴァン
骨格しっかり。凝縮度高い。長期熟成可能。この2つはボージョレの中でも2TOP。

ムーラン・ナ・ヴァンはコナンくんの映画に出てましたよ!皆さん知ってますか?

 

 

ブルゴーニュピノ・ノワールの熟成度の低さと、

コート・ド・ボーヌ

ジュヴレ・シャンベルタン

ジュヴレ・シャンベルタン1ercru

ジュヴレ・シャンベルタンgran cru
このように並んでいる場合、それぞれの程度に合わせてどんなワインかを答える問題がある。
産地ごとのスタイルを捉えて答える。

 

急に話変わるよ!

 

ローヌ川流域北部
温和な大陸性気候。

・ローヌは南北で全く異なる。
北は渓谷になっていて、川幅も狭い。
最良の畑の多くが川に面している。

・急斜面
最良の畑は痩せた花崗岩土壌。
ミストラル(北から吹く冷たい風)の影響。
北を背にした南向き斜面が良い畑となる。

・仕立て
強い風に倒れないよう支柱で支える必要がある。
もうほんとにまじで風が強い。

急斜面のためVSPが難しい。機械収穫もムリ


主要黒ブドウ品種
シラー
北ローヌ唯一の黒ブドウ。シラーが完熟できる北限。
風に弱い。

★高品質シラーの醸造
手積み。
高い温度で発酵。
長いマセレーション期間。
長期間のオーク樽熟成。
<オプション>
破砕+発酵前浸漬 または一部全房入れる。

★混醸
コート・ロティでは20%まで (ヴィオニエ)
エルミタージュでは15%まで (マルサンヌ・ルーサンヌ)
白ブドウを混ぜて一緒に発酵してよい。

その他のブドウ
ヴィオニエ
非常に強いアロマと風味。アプリコット、桃、白い花のアロマ。
低い酸味と高いアルコール。
(十分成熟してないとアロマが出ない、でも十分熟成させたらその頃には酸が落ちてる)

アロマを活かすために新しいオーク樽の使用には慎重にならないといけない。
熟成は澱とともに1年。

長期熟成出来なくもないけど、早めの方が美味しい。最初3,4年うまい、15年後またうまくなる。

マルサンヌ
ルーサンヌ

なんで混醸するのかしりたーいと思った?

ボルドーとかでも昔は混醸してましたよ。すげえパワーのシラーを柔らかくするためのテクニックでした。

伝統的にいまでも続いてるってわけ。

それが今でもニューワールドでも混醸するとこあるから面白いよね。南アフリカとか。

 

コート・ロティ
シラー主体の赤のみ
長期の瓶内熟成可能なプレミアム・ワイン。
絶滅しかかってた産地をギガルが復活させた。
アンピュイという小さな村の裏手にある。
東から南東向きの斜面「焼かれた斜面」の意。
エルミタージュよりアロマティックでスパイシー

僕はコート・ロティとBBQ合わせてちょっと後悔したことがあります。

コート・デュ・ローヌでよかったです。

 

コンドリュー
ヴィオニエ100%の白原産地呼称。
20世紀後半に人気が大きく拡大。

うまいよね。

 

シャトー・グリエ
コンドリューの中にある単独所有の単一畑。
現在フランソワ・ピノーがオーナー。

 

ローヌ川北部下流

エルミタージュ
南向きの丘が形成。コート・ロティよりもフルボディ。パワフル。白も評価が高い。辛口とヴァン・ド・パイユ。

 

クローズ・エルミタージュ
範囲広い1700Ha(品質の差も大きい)

 

サン・ジョセフ
シラーの赤がほとんど。
マルサンヌ・ルーサンヌの白も。北ローヌワインの人気を受けて大きく拡大。
クローズ・エルミタージュ以上にピンキリ。

 

 

コルナス
シラー100%
最も気温が高く南向き斜面。
フルボディで濃い色調の赤。
エルミタージュ的だが価格は中価格帯。あーっコルナスのみてえな。

 

 

ローヌ地方の安いワインは案外シンプルに旨いワインもあり、ボルドーよりもすき!でも手放しで美味しい!って言えるのを探すとどうしても3千円〜とかになってくる。

似た雰囲気でちょっとコスパ良くなるとフランスだとラングドックとかスペインとかに行っちゃうよね。

サン・ジョセフとか飲んだことないから飲みたい。

 

ブルゴーニュについてですが、ボケクソに高すぎてとてもじゃないけど手が出ない。

その昔ドメーヌ・デュージェニのクロ・ド・ヴージョ(いま6万円くらい)を飲んで「深入りせんとこ……」と思った思い出があります。

ピノ・ノワールのことは大好きなんですけど、僕はアルゼンチンとか、ニュージーランドとかそういうところのちょっといいピノ・ノワールで自分を慰めています。

しかしこれはボルドーのときとは完全に話が違っていて、ルサンチマンになりかねない。これはよくない。

お金があれば僕はブルゴーニュをたらふく飲みたいと思っています。

ブルゴーニュが高くて飲めないから酸っぱい葡萄式に(ワインだけに)貶すということになると、これは僕の本心とは違ってきていて、僕のブルゴーニュに対する意識をルサンチマンから生まれた歪んだ価値評価のもとに置きたくないというのがあります。

ルサンチマンがなぜ生まれるかというと、自己と世界を肯定できないからで、世界を否定して別の世界へ救いを求めるからだとされている。

たとえば僕がブルゴーニュを飲めないこと(世界からの抑圧)に対し、僕がブルゴーニュを飲めない世界はクソ、ブルジョワどもばかりブルゴーニュを飲みおってゆるせん!という考えをしたとする。

この思想こそがルサンチマンといえる。

抑圧されることへの反動が受動的で、自分の欲求を満たすことが出来ない世界への否定がある。

自分から能動的に解決策を見出すことが出来なくなった人間を、ニーチェは「弱者」とか「奴隷」とかいう。

 

またこいつニーチェの話してんな……。

 

ブルゴーニュが飲めない結果、代替としてアルゼンチンのパタゴニアピノ・ノワールを飲んだりオーストラリアのタスマニアピノ・ノワールを飲んだり、ニュージーランドのホークス・ベイのピノノワールを飲んだりしてブルゴーニュに近しい感動を得ることにより、ブルゴーニュが飲めないことをルサンチマンにしないようにしているのだが、これが困ったことにどうやってもなかなかブルゴーニュ一級畑クラスのピノはあっても特級畑級がやはり少ないので、未来的にここを解決することで能動的にブルゴーニュルサンチマンから脱却していこうと考えています。

 

ルサンチマンってクソだよね〜〜〜!!って言ってるニーチェも結局ルサンチマンしてる人間を「弱者」と定義してしまったことでルサンチマンを解決出来ずに気が狂って死んだので、ルサンチマンに対する態度はクソだとか弱者の産物とか奴隷根性とか言わずに、人間が潜在的に持っている思考のクセであり、いわば一時の気の迷いで、人間の知恵と克己心ですべて解決出来る些末な問題だと思うようにしています。

大したことないですよルサンチマン

ルサンチマンで死ぬな!