かぜはく電脳曼荼羅

玄秘学、食文化、ゲーム、生と死に非常な関心があります。

あのあれ9回 スペイン北部の赤とイタリア北部の赤

スペイン北部の赤ワイン およびイタリア北部の赤ワイン

 

焦るな……まずはスペインからや。

スペインにおける3つの気候ゾーン
①地中海性 東部 温暖。南東部は高温。
②大陸製 中央部 夏暑い冬寒い。
③海洋性 北西部 大西洋の影響で雨多い。

 

中央部の大きいチェックポイント
場所の影響→山! メセタ台地というでかい台地がある。

ブドウ品種のはなし〜

★テンプラニーリョ 暑すぎると酸が欠ける。夜間気温下がる標高高いところが主な産地。→日較差で酸が保持できるから。

リオハ西部 リベラデルドゥエロなど。

中程度の酸、中程度のタンニン、赤黒果実のアロマ。

セミカルボニックマセレーションでフレッシュなホーベンのワインなども。
→イチゴのアロマ 早のみ

オーク熟成で偉大なやつもあるよ。

 

★グラシアーノ
ブレンドへの貢献。黒系果実。酸味。タンニンによる骨格を与える。

高品質になる品種だが栽培が難しい。

偶にグラシアーノ単一とかあるよね。酸しっかりあって僕はかなり好き!

 

★カリニャン=カリニェナ……リオハではマスエロと呼ばれる
酸味とタンニンを与える品種

もうちょっと詳しく書いてもいいじゃん!

 

★メンシア

そういうのもある程度に思っとくといいとのこと。

ホントはたくさん書きたいよ〜〜。

僕はかなり注目してる品種なんですよ。冷涼なニュアンスがあってですね……。

 

国際品種はEU加盟後使われるようになった。

 

リオハは66000ヘクタールの生産地 長さ100km 幅40km

リオハの三区分について。

★リオハ・アルタ バスク地区文化圏 大西洋の影響を受けるが、山脈に守られている。

ガリシアのような海洋性気候ではない。標高500~800と高い。夜間涼しい。 

簡単に大陸性とは言えないが、どっちかというと大陸性。テンプラニーリョ主体

 

★リオハ・アラベサ アラバ地区 アルタと同じ要素。テンプラニーリョ主体。

 

★リオハ・オリエンタル 昔はリオハ・バハと呼ばれた。 

でもバハ(下)ってのが気に入らねえ!!!って意見が出たのでオリエンタル(東っかわのリオハ)になった。

大陸性気候だが地中海の影響も。 

夏暑い冬寒い。比較的標高低い。

平坦な畑でガルナッチャ主体。

 

リオハのスタイルは?なぜブレンドが主流?白ワインは?

簡単には言えない産地なんですよ。

早飲み用はセミカルボニック・マセレーションを用いて新鮮な果実味+低いタンニンみたいなのもある。→でもこのタイプは日本にはあんま入ってこない。
伝統的な作りのやつは長期アメリカンオーク熟成→ドライフルーツ、キノコ、ココナッツ!みたいな。

モダン・高品質なやつは室の高いブドウを用いてしっかり除梗、破砕を行い、適切な抽出度(昔あったボケクソに濃いタールみたいなスペインワインじゃないやつ)、長いマセレーションでオーク樽熟成(よりフレンチオーク比率高い)を使って作られる。

すごい雑に言うと標高高いとこはテンプラニーリョ、低いとこガルナッチャが作られると思っとけば大筋あってる。

まぜてバランス取るので混ぜること多い。

 

白ワインはビウラ(マカベオ)が主体。日本では少ない

 

リオハの赤ワインスタイルピラミッド
1.グラン・レゼルヴァ 熟成期間だけを規定 より高品質なブドウはより長い熟成に耐えられる。

より強いオークの影響とつり合いがとれる。 

理想的には上に行くほど品質が高い……でも実際はそうともいえない。60ヶ月熟成、18ヶ月樽内熟成。


2.レゼルバ 長期樽熟。 36ヶ月熟成12ヶ月樽


3.クリアンサ モダンスタイル 24ヶ月熟成 6ヶ月樽

4.ヘネリコ(ホーベン)CM法 0ヶ月熟成 0ヶ月樽でいける
ホーベンは試験では出ません!!


今は別評価軸でリオハを評価しようぜって動きがある。

 

他のさんち〜〜〜。

ナバーラ 

チェーザレ・ボルジアが死んだとこ。

黒ブドウ中心の産地
テンプラニーリョ多い。ガルナッチャもまあある。 

国際品種も使うムーブメントも! 

ロサードが結構有名でガルナッチャ使う。

→早めに収穫してフレッシュ感残したガルナッチャで結構いいぜ。人気!


スペイン北部

カステーリャ・イ・リオンのビノ・デ・ラ・ティエラVdiT激広い。

一応見とくと良い。

カステーリャ・イ・レオンのピノ・デ・ラ・ティエラって墾田永年私財法とか環太平洋造山帯とか、スリジャヤワルダナプラコッテと同じジャンルだよね(伝われ!)

 

その中の重要産地
★リベラ・デル・ドゥエロ
温暖な大陸性気候。山に囲まれて海の影響0!
標高高い。おおよそ750-1000m →夜間涼しい
黒はテンプラニーリョ主体だが白やロゼもある。
長いマセレーションと新フレンチオーク熟成でモダン(最近もうこういうのをモダン・スパニッシュっていうの古いよね……)
めっちゃ日照強い→凝縮した果実味と強いタンニンの赤になる!(重要)


★トロ

古木多い。ブッシュヴァイン=株仕立てが主流。 
リベラ・デル・ドゥエロとの違いは砂地土壌。砂地だからフィロキセラ・フリーです!アブラムシがいないんだねえ。

 

★ビエルソ
温和な気候。海の影響も。
品種はメンシア
→高い酸 赤い果実実 最良はピノ・ノワールやシラーのような印象 (重要)

ここは2つのスタイルがある。
平地は低価格でフレッシュなやつ。
水はけのよい険しい斜面では50年こえる古樹から凝縮果実とオークによるスパイスのあるワインが生まれる。


アルバロパラシオスってやつがプリオラートを超盛立てたことを覚えとこう。

ペトリュスとかスタッグス・リープで修行したあとプリオラートでワイナリーを作り、プリオラート4人衆とか呼ばれたとか。

まあ僕が生まれる前の話なんすけど……。

 

 

イタリアいくぜ!!!
北イタリア
温和な気候で内陸部は大陸製。海沿いは海洋性。

これが中部南部に行くと地中海性になっていくよ。

要因は
アルプス山脈……北からの雨を防ぐ
・川と湖……ガルダ湖、ポー川などの大水塊が冬に熱を蓄える。
・海…ヴェネトのアドリア海側。これも大水塊。

 

イタリア北西部のブドウ
ネッビオーロ
高い酸、多いタンニン、 色淡い、サワーチェリーやハーブ、ドライフラワーなどのアロマ(重要)

 

・バルベーラ
晩熟で多産→高い収量の早のみスタイルか収量抑えた高品質スタイルかどっちでもいけるぜ!
濃いめの色で少ないタンニン、高い酸。レッドチェリーやプラム、黒胡椒のニュアンス(重要)。

 

・ドルチェット
他より早熟ネッビオーロより一ヶ月早い
より冷涼でも栽培可能
色濃いめ、多めタンニン、中程度の酸味。ブラックプラム、レッドチェリー、ドライハーブ(重要)のニュアンス。

 

・コルテーゼ 白品種
冷涼なエリアでゆっくり成熟 淡い色でライトボディ。

高い酸に柑橘青りんご、洋梨(重要)などの香り。

 

DOCGバローロ
ネッビオーロで作る赤のみ生産可能。
長期熟成に向くプレミアムワインが多い。
長い瓶熟成でタンイン和らぎ、第3アロマがあって複雑。
ハウススタイルを作るのが多いので、単一畑が必ずしも高品質とはいえない。

 

長期熟成大樽スタイル→樽の印象控えめ超超熟エレガントで深淵
バリック熟成スタイル→樽の印象強く比較的パワフルでインタラクトしてくるワイン。

 

DOCGバルバレスコ
バローロよりちょっとだけ標高低い ちょっとだけ成熟早い一週間くらい。
規定ちょいゆるい。最低熟成期間バローロより短い。八億回ソムリエ試験のときにやったわ……。

 

バルベーラ・ダスティ
アスティ町を中心にした広域DOCG

僕は案外いいのあると思ってるよ。

 

ドルチェット・ダルバ
バルバレスコに近いアルバ町が中心。ネッビオーロに不向きな冷涼畑で早のみスタイルが作られる。
タンニン控えめ。

 

ガヴィ
コルテーゼを使った白。保護的な製法→ステンレスで低温発酵。
→フレッシュで柑橘系のややアロマティックなワインになる。
オールドファッションなワイン。

 

イタリア北東部
黒ブドウ
コルヴィーナ ヴェネト州原産
中程度の色、低めのタンニン、高い酸味でレッドチェリー、赤いプラム、ハーブ、スミレの香り。

 

メルロ 昔から国際品種よく使っています

 

白ブドウ
ガルガネーガ
ソアヴェの主要品種
シンプルスタイルから熟成可能なとてもよいクオリティまで。
中程度から高い酸味ミディアムボディ。柑橘、洋梨、あかりんご、熟した有核果実ピーチまで。

 

ピノ・グリージョ
大大大ブレイク フレッシュフルーティスタイル

僕はガルガネガのほうがすき!

 

シャルドネ

まあ作っとんですよ。

 

フリウリ
温和から温暖な気候。丘陵部と沿岸部がある。いつものパターンですが丘陵部がやっぱハイクオリティ。
高品質白、赤、オレンジワインが生まれる。
地元品種&国際品種どちらも使用できる。
ピノグリージョ、メルロ、フリウラーノとか。

 

DOC
フリウリ・グラーヴェ平野部

コッリオ…丘陵地 コッリ(丘)の意
コッリ・オリエンターリ

 

トレンティーノ・アルト・アディジェ
温和な大陸性気候でアルプス山脈の麓丘陵地帯に広がる。
アディジェ川沿いの斜面に段々畑があり、この辺で生産。
トレンティーノのほうが標高高くてやや温かい。

 

DOC
アルト・アディジェ
トレンティーノ
白はピノグリージョやシャルドネ、ゲルマン、ミュラートゥルガウ、ゲヴェルツなどが使われる。 
赤はスキアーヴェ テロルテゴ メルロ ピノ・ネロなど20種類使える!!!


ヴェネト
温和から温暖大陸製気候
ヴェネツィアのイメージだけど産地は山側

アルプス山脈の麓→冷却効果
ガルダ湖からの風→気候穏やか
広大な平野部→海からの湿気 肥沃な土

 

ヴェネトIGP
ピノ・グリージョ・デッラ・ヴェネツィエDOC(ヴェネツィエとかいいながらめちゃくちゃに広い範囲このへんで作ったピノグリージョならだいたいこれになっちゃう)

 

ソアヴェ

ヴァルポリチェッラ
※2つのエリア

クラッシコってとこは全部丘陵地帯粘土石灰火山性水はけGood

 

丘陵部
粘土石灰と火山性→水はけよし 高い標高で冷涼

 

平野部
砂 砂利土壌
→肥沃でより温暖 大量生産するぜええ

 

★パッシート
骨格と風味の凝縮度を強めるためにブドウを完成させること

・アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ 辛口
・レチョート・デッラ・ヴァルポリチェッラ 甘口
・ヴァルポリチェッラ・リパッソ 

酸味がまだ高いうちに収穫。完熟よりも適熟
房のまま乾燥させま〜す。フルボディでアルコール15~16%とかになるぜ。

タンニンもあるが、相当糖度も高い。

干しても酸味は落ちないんだぜ。なので酸味高い、タンニンやや強い、アルコール強いのワインが生まれる。

 

 

なんだかんだ北イタリアのワインがこの世で一番好きなんですよ。

バローロバルバレスコとアマローネのどっちが一番?

って聞かれるとかなり迷うのだが、僕的にはバローロを始めとするネッビオーロがすごく好き。

「あのあれ」はもうちょっと詳しく説明してくれてもいいのにな〜。

今やバローロを伝統的、モダン派の二つに分けて論じることが時代遅れになって久しいけど、伝統っぽい大型の樽とか上面開放発酵槽で作って、野生酵母も入りつつ、熟成とともに香りが出てくるようなやつが特に好きなんだけど、かつて伝統派の作り手と呼ばれた人たちも技術革新をどんどんしていて、回転式発酵槽を取り入れる人らも出てきている。

今は産地の個性&作り手の個性の時代なのだが、触ると腐って落ちるような熟度のサワーチェリー、匂い立つような薔薇や蘭、湿度の高い松林に入ったような香りなど、特徴的でオリジナリティがあるワインがどんどんどしどし出てきており、値段もじゃんじゃん上がっている。私は困っています。

事によるとピノ・ノワールより好きなんですけど、ピエモンテのワインが飲めなくなったら僕は世を儚んでしまうかもしれない……。

いっつも儚んでるって?

そうなんですよ。本質的に厭世主義なので、退廃の美を感じるバローロに惹かれるってわけ。

みなさんも僕と一緒にヴァニタスの極地にあるバローロを楽しみませんか?