かぜはくのテイスティングノート ヘラクレスの栄光編

ヘラクレスの栄光ってあるじゃないですか。僕は超好きなんですよ。特に3と4。

3は大人になってからプレイしたけど、ゲームバランスはともかくストーリーは本当に素晴らしかった。

どんでん返しがあるとは聞いていたけどそんな形だとは……。

 

4はプレイして時間が経ってるので、またプレイしたい。

 

テイスティングノート?やるよ?僕が四六時中スーファミばっかりしてると思わないで欲しい!

 

そういえばこの間久しぶりにかぜはくネミテアで集まった時、SO5してた折に僕は彼らにSO2の布教をしたんだけど、

はニャんさん「今見るとグラフィックが古いじゃん……」

キラーさん「レトロゲームかなって(かぜはくの方を三度見しながら)」

僕は憤った。PSはレトロじゃないよ!!って言うと、キラーさんは

「普段からフャミコンとスーフャミしてる人の時間の感覚はおかしい!SO2は二十年前のゲームです!」

って言われてぐうの音も出なかった。

 

話を元に戻そう。

 

僕はここのとこ一年くらいずっと探してるワインがあって、それを求めて各地のワイン屋に顔を出しまくっていた。

 

「アギオルギティコで作られたワインないですか?」

とにかく行った酒屋、ワインショップで尋ねまくった。

 

「ない」

「ない」

「ありません」

 

はい。これもまた宿命。

インターネットで探すとすぐ見つかるのは判ってるんだけど、こういうのは保存状態がものをいうので、できる限りちゃんとしてるとこで買いたいというのがある。

 

一応解説しとくと、アギオルギティコというのはブドウ品種で、ギリシャの土着品種だ。

主にペロポネソス半島で生育する。

ギリシャの赤はどちらかと言えばこちらよりもクシノマヴロの方が評価が高いのだが、より手に入りにくいこちらを試してみたいと思った。

クシノマヴロは多分探したらすぐ出会えるし……。

 

別名「ヘラクレスの血」とも呼ばれており、特にネメア(産地)のものは品質が高い。

ブドウの特徴としては滋味深い果実味と穏やかなタンニン、まろやかな酸味を持つとされている。

 

試験勉強してる時に知ったんだけど、ギリシャなんてのはブドウを育てるには暑すぎるし乾燥してるし台風来るしではっきりいってあんまり適してるとは言い難い。

試験問題の中でも比重の高くないマイナー産地だ。

味わいのデータを見てみても、イタリアっぽいなーみたいな雰囲気があり別にそれじゃなくてもいいじゃんみたいな感もかなりするのだが、まあ探し回るのと酒屋巡りが楽しいのでよしとする。

 

今回散歩のついでに立ち寄った神戸のワインショップで取り寄せてもらい、遂に手に入れたという経緯だよ。

 


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輝きのあるルビーレッド。外見は非常に健全。若々しく見える。

粘性やや強い。アルコール度数はそこまででもないけど……。
香りは酸味と赤色果実を感じる香り。ラズベリー。なめし革のニュアンス。血液。第1アロマが強い。


シルキーなタンニン!果実味豊かだが重さはそれほどではない。

 

余韻も長く、存在感のあるタンニンの残り香が続く。

 

うまいぞ?
ぶどうの質はかなり高い。
樽のニュアンスもあるが、効かせすぎではなく上品。

質のいいイタリアっぽい感じ。


ギリシャってなんか呑気で怠惰なイメージだったけどこれはクオリティ高いじゃん!

 

地中海は単純にうまいのが多くていいですね。

次はクシノマヴロとかも試してみよう。

FEってたまにしたくならない?

ファイアーエムブレムってたまにやりたくなんない?

 

なるのです。

 

家で聖戦の系譜をやってると隣から覗き込んできたじろーが「うわー90年代の絵柄」などと言ってきたのだが、聖戦の系譜は96年発売なので彼女の作風から時代を読み取る感覚は非常に鋭敏だと言える。

そのうちコリント式のエンタシスを見て建築年のあたりをつけたり、絵画の顔料の発色や色褪を見て製作年を当てたりしそう。

するか?

 

話は変わるが、使うかどうか判らんような技術や知識を得るのが好きだ。

この間戦術に関する情報をほんの触りだけ得たので、ゲームの中で実際に用いて生きた知識にしたいと思う。

 

折角だからやったことないやつをやろう。

 

GBA聖魔の光石というのがあるのだが、こいつをやる。

GBAでは他に封印の剣やら烈火の剣やら言うのがあって、僕はこの辺が初めてのFEであった。

 

あ、でもその前にカレルの話する?

この話長くなるからゲームのプレイはまた今度ね。

 

烈火の剣封印の剣は続編的な作品なんだけど、十何年くらい時代が違う。そのどちらにも登場するキャラというのも少なからずいる。

 

でまあ僕の推しのカレルっていうお肉斬りたいクンがいるんだけど、こいつが人殺しなんですよ。

長髪ツリ目で胸をはだけてて、「あーかぜはくが好きになりそうな見た目」みたいな感じだ。

で、こいつが筋金入りの中二病患者。

中二病患者ではあるのだが、有言実行の中二病患者なので中二病が行き着く所までいってて狂気をはらんでいる。

孕んでいるというかこいつは狂っている。

サカ(遊牧民)出身の剣士であるカレルはとにかく剣の上達に命かけてて、「斬れば斬るほど俺は強くなれる!」

「斬れるなら誰でもよかった」

などと数年後ふと思い出してアチャーとなりそうな言動をバンバン繰り出してくれる。

とにかくお肉を斬ることに喜びと快感を見出していて、戦場にふらっと現れては適当にその辺にいる人間を敵味方の区別なくズタズタにしまくっているのだが、彼にも一定の基準と美学があるらしく、時と場合によっては斬ったり斬らなかったりする。

特にいくつかの場合においてそれが顕著で、そこがまあエモポイントなのだ。

 

弟子のギィくんに対して。

サカ出身のギィくんという剣士が仲間にはいて、かなり早い段階で加入するキャラだ。しかし彼は剣士の癖に力の上がりが悪かったり、見た目がジャリくさいのでかぜはくはある程度にしか育てていなかった。

FEには支援会話というのがあって、特定のキャラ同士を隣接させ続けるとなかよし会話が発生して二次創作が捗るみたいなシステムであるのだが、カレルはこのギィくんと支援会話が発生する。

カレルの美学というのは、要は「一番おいしいタイミングで好物を食べる」ということだ。

ギィくんと初めての支援会話では、カレルはギィくんの未熟さを嘲笑しながら、お前は美味しくなさそうだからまだ斬らない!ってするのだが、支援レベルがBになると「毎晩私の部屋に来い」とか言い始める。

支援レベルAになると「私はもう自分を抑えられない」などと言い始め、今までプラトニックな関係だった弟子に一転情欲を向け始める。

 

ここんとこは攻略サイトをコピペするね?

支援レベルC
[ギィ] (右)

あ、あんた・・・!▼
[カレル] (左)

・・・・・・▼
[ギィ] (右)

ま、待ってくれ!
あんた、カレルってんだろ?▼
もしかして、
あの・・・【剣魔】なのか?▼
[カレル] (左)

・・・・・・▼
[ギィ] (右)

あ、ちょっと
待ってくれよ!▼
おれはギィ!
サカの戦士だ。▼
おれ、あんたに
剣を教えて欲しいんだ!▼
[カレル] (左)

・・・・・・▼

[ギィ] (右端)

!▼
なっ、
なんだよ・・・▼
[カレル] (左)

己の未熟に
感謝するのだな。▼
もう少し
剣を使えたならば・・・▼
お前を斬らずには
いられなかったろう。▼
[ギィ] (右端)

な・・・なっ・・・▼
なんだってんだよ、
いったい・・・▼

支援レベルB
[ギィ] (右)

師匠!▼
待ってくれよ!
カレル師匠!▼
[カレル] (左)

・・・・・・▼
[ギィ] (右)

なあ、頼むから
おれに剣を教えてくれ!▼
おれはサカ一の剣士に
ならなきゃいけないんだ!▼
[カレル] (左)

・・・私の名が
世に広まったころ、▼
お前のような輩は
掃いて捨てるほど現れた。▼
片端から斬り捨てるうちに
いなくなったが・・・▼
見逃してやる。
・・・消えろ。▼
[ギィ] (右)

ま、まってくれ!▼
あんた、戦う相手が
欲しいんだろ?▼
だったら、おれが
相手になってやる!▼
[カレル] (左)

・・・・・・▼
[ギィ] (右)

けど、今のおれじゃ
あんたにはかなわない。▼
だから、
おれに剣を教えてくれ。▼
一年あれば、おれは
絶対強くなってみせる。▼

あんたの敵になれるくらい・・・
あんたを越えるくらいに!▼
[カレル] (左)

・・・・・・▼
今の言葉、
偽りはないな。▼
[ギィ] (右)

あ、ああ!▼
[カレル] (左)

良かろう。▼
今夜から毎夜、
私のもとに来い。

剣を、教えてやる。▼支援レベルA
[ギィ] (右)

師匠!▼
[カレル] (左)

・・・・・・▼
[ギィ] (右)

師匠! おれの戦い方
どうだった?▼
[カレル] (左)

・・・・・・▼
[ギィ] (右)

師匠に教わった剣、なんとか
ものにできるようになったし、▼

へへ、けっこうおれ、
才能あるのかも。▼
まだ師匠からは
一本もとれてないけど、▼
おれだって、
そのうち必ず・・・▼
[カレル] (左)

ギィ。▼
[ギィ] (右)

?▼
[カレル] (左)

修行は、もうやめだ。▼
[ギィ] (右)

え?▼
な、なんで!▼
[カレル] (左)

お前は強くなった。▼
これ以上
お前に技を教えれば・・・▼

私はお前を
斬りたくなる。▼
斬らずには
いられなくなる。▼
[ギィ] (右)

・・・・・・!▼
[カレル] (左)

こうしている今でさえ、
私は自分を抑えられん。▼
私の一刀を、
お前がどうしのぐか・・・▼
そう考えただけで
血が揺らぐ。▼
[ギィ] (右)

し・・・師匠・・・▼
[カレル] (左)

だから、行け。▼
もう私に
話しかけぬことだ。▼
一年後の話は・・・
忘れてやろう。▼
[ギィ] (右)

し、師匠!
待ってくれよ!▼
おれ・・・師匠には
すごく感謝してる。▼
けど、強くなって
師匠と勝負するって言葉は・・・▼
あれは、
うそじゃない。▼
おれ、必ず師匠より強くなる。▼
強くなって、師匠を倒してみせる。▼
[カレル] (左)

・・・そうか。▼
次に剣を交える時・・・
私はもう自分を抑えられまい。▼
一年の後、
またお前と会おう。▼
その時が、最期だ。▼
良いな?
[ギィ] (右)

・・・・・・▼
はい・・・師匠。▼

 

こんなんホモでしょ?

あと妹に対しては斬る斬る詐欺して結局斬らない。

 

あと女みたいな顔したシスター(男)に寝るから近くに寄れとか言うたりする。

 

 

これが十数年後の「封印の剣」の時代になると、急に物腰が柔らかくなって柳生石舟斎みたいに剣の道とは……とか説き始めたり活人剣を見出したりする。

禁断症状起こして「斬れるなら赤子でもいい」とか言うてた鬼畜はどこにいったの????

 

ふうふう、熱くなってしまったので今日はこの辺で。

カレー。

「二十分くらい居てもらってもいい?お祈りに行ってくるから」

 

小さくちぎったナンをカレーに塗ったくって食べる僕達に、店主はそう言った。

 

「どうぞどうぞ。お気をつけて」

 

僕達はそう答えて、再び料理を楽しむ方向に戻った。

店内には僕達の他にはもう一組しか客はおらず、今日の予定について話し合っているのが聞こえる。

店内にはかすかにと言うには大きい音量で中東の香りがするBGMが流れている。

 

神戸という街は非常に面白い街だと僕は考えている。

 

本質的な部分ではやはり日本的文化が確かにある。

それはよく言われる標高差の意識であったりだとか、旧居留地のど真ん中やら異人館のあたりやらオフィス街やらに生田裔神八社が点在していることだったりすることや、街並みそのものの雑多さなど……多くの要因からそう感じる。

 

「異国情緒の街」と言われたりするのだが、ではその異国情緒とやらはどこからいずるものなのか?

北野の異人館集合軍の中にも日本家屋はあるし、今にも崩れそうな昭和の据えた匂いがぷんぷんする建物なんかもかなりある。北野の入口にある異人館案内所などはその最たるもので、単純に景観を持って異国情緒があるとするのは僕にとっては納得し難い部分がある(しかしカフェドパリの佇まいや高級ブランド街を見てパリを想起するのも確かだ)。

 

宗教と思想の坩堝としての神戸に、僕は面白みを感じている。

 

学生時代にじろーが僕に「神戸行くんだけどなんか見るもんない?」と尋ねてきた時、僕は「生田神社(神道)行ってモダン寺(浄土真宗)行ってモスク(イスラム)行って関帝廟(道教)いってアジア宗教ツアーなんてどう?」と提案したら、「君に尋ねた僕が馬鹿だったよ」と返されたことがあった。

 

もっと言えば、シナゴーグ(ユダヤ)もあるしグル(シク教)もあるし、ジャイナ教寺院まである。もちろん、教会(カトリックプロテスタント)もね。新興宗教まで数えるのはアホくせえから省く。

 

これは何度も説明していることだが、僕は宗教の基本理念であり目的である死への恐怖の克服と幸福の追求というものに興味があるから宗教に興味があるのであって、特定の宗教に肩入れすることもなければ、自分自身を救うのは自分でしか有り得ないと考えている。赤の他人に救われてたまるかと考えている。

どこの宗教団体にも属さない。

 ありとあらゆる(宗教に限らない)幸福を追求する手段をより客観的に見つめるための、僕の美学だ。

 

日本人の宗教観に関して言えば、よく言えば包容力があり、悪く言えば無関心なのだが、それ故に宗教由来の争いが少ないとも言える。

だからこれだけ多種多様な宗教の宗教施設があちこちに(それこそカレーに使われるスパイスの数みたいに)乱立していても、戦争も起こらなければ殺し合いも起こらない。

他宗教への寛容さにおいて、神戸という街はその他の街より明らかに異質だ。

僕が知る限りは、ジャイナ教寺院は日本でここだけしかない。

 

そういう意味では、神戸というのは、カレーに似ている。

中東飯がインドでスパイスと融合してカレーの原型が出来て、インドのカレー、イギリスのカレー、フランスのカレー、アメリカのカレー、日本のカレー、東南アジアのカレー、南アのカレー、カレーというのは少しずつ形の違う、世界を共通する料理なのだが、全て日本人はひっくるめてカレーと呼び、食べている。

形の違う、本質の同じものが一つのものに(多少無理矢理に)ひっくるめられて、それぞれをそれぞれの人達が楽しんでいる。

 

店主がモスクから帰ってくる二十分間、僕はそういうことを考えていた。

 

かぜはくのテイスティングノート なあ……そうだろ、松ッ!!篇

2016 ブルゴーニュ・レ・セティーユ/オリヴィエ・ルフレーヴ

 


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ぴっぴかちゅう!
ピュリニー・モンラッシェ最強の作り手といいえば……そう!ドメーヌ・ルフレーヴじゃな!
オリヴィエ・ルフレーヴはドメーヌ・ルフレーヴのネゴシアン(ぶどう買い付けてワイン作る人ら)部門みたいなもんなんだけど、ネゴシアンにしてはうまいワイン作るので僕は割と好みだぞよ。


普段は赤ばっかなんだけど、試験対策で白も飲まないといけなくて……そういうわけだよ。
ついこの間試験だったのだが、苦手な白の方が二種類ともドンピシャで自分の才能が怖くて戦慄しておるよ。


ブルゴーニュボルドーとは違って基本的には葡萄の品種は単一で作る。
こいつも例に漏れず、シャルドネの単一だ。
しかし面白いとこは別にある!
ムルソーという畑(力強くてコクがすごい)とピュリニー・モンラッシェ(酸が強くミネラリーでエレガント)の葡萄を使っており、それぞれの特徴が取りやすいので非常に面白いね。


英国のロイヤルウエディングのなんちゃらパーティで使われたりもしたらしい。


試してみよう。


澄んで輝きがあり、緑色がかったレモンイエロー。
外観からは若々しい印象を受けるけど、香りからは熟して完成度の高い葡萄の状態がとれる。
柑橘系、桃、花梨の香り。第二アロマはパンドゥミや貝殻……火打石が特に取りやすい。
ムルソーらしい力強さ、味わいの厚みもあるし、モンラッシェらしい酸味やミネラル、花のニュアンスもしっかり取れる。


なかなかいいねこれは!
二つの超銘醸地の個性がバラバラでなく調和しているのはストーリー性があっておもしろい。
これを結婚式のレセプションパーティに使おう!ってなったやつ、ワインオタクだね?


食事に合わせるなら、アタックにムルソーの感が強いからクリームソースのパスタとかかな。
シチューでもよい。


これは余談だが、引越しを予定しており冷蔵庫の中身を使っていく必要があって余ってるクリームチーズをホワイトシチューの中に全部ぶちこみ、「牛乳を一滴も使っていないシチュー」という冒涜的で暴力的な料理をじろーが作ったのだが、これが卒倒するほど美味く、もし感度が三千倍とかになってたら……と考えると生唾を飲み込んでしまうような出来だったのだが、そういうのに合わせるとよいと思う。
ベシャメルソースとも合いそう。


じろーがシャルドネがとにかくだめらしく、曰く
「薄めたスポドリ
「薄い」
「よくわからん」
などと散々に言うのだが、これはまだ飲めるとのこと。
まあ我々は血が温暖な地域の赤ワインで出来てるので白ワインという飲み物がよく判らないのは仕方がないね。


そんなわけでシャルドネの類を一人でひたすら飲みまくっている。


股間で寝る猫の体温を感じながら飲むワイン。これがうめえのだ!!!!!

以前超えられなかった壁に再び当たり、父親の訓示を受けて光明を見いだしたる話

かぜはくは学生時代ブイブイ言わしていた。

僕の前に敵はなかったし、僕が仲間と認めた奴もそこそこ強いやつが揃っていたので向かうところ敵無しであった。

 

ただ一つ僕が大学時代に失敗したと言えるのは、人を育てる力を養えなかったことにある。

やる気と実力のない、誰かに救われるのを待っている放蕩の破落戸だとしても、僕はその時人を育てることに真剣になれず、結果として職務を放棄した。

 

以来実はそれなりにその事について考えた。

 

今も思い出すのは、酒を強かに飲んで王の状態になった僕を見て、大学に入ってから出来た友人がふと漏らした言葉だ。

 

「王の実力は王と呼ばれるに相応しいもので、それ自体は誰もが認めている。しかし王の臣民――この人はかぜはくの臣民であるなあと人が認める人間が――不相応に少ないのだ」

 

まさにその通りであったと思う。

 

今にして思えばそれもまた、今回の答えに至る一つの助けであった。

 

悟りという言葉を前使っていたが、こういった他人に気付かされたようなのは悟りとは呼べない。だがこの先の悟りにたどり着くための重要な足がかりであることは違いない。

 

 

 

社会人になったいま、これがまた学生時代とは比べ物にならないほどのどうしようもない奴を部下に持ってしまい、否が応にも過去の失敗を想起してしまう日々を送っていた。

 

なんでやる気ねえやつを導いてやんなきゃなんねえんだよ。

なんで俺様の言うこと聞かねえ奴のために尽くしてやんなきゃなんねえんだ。

そもそも費用対効果が見合ってないんだよ。この愚図どもに仕事を任せるなら僕が自らやったほうが一千億倍納得のいく仕事が出来るんだよ。

すべてのロボットアニメは道を譲れアホボケカス!

と学生時代と全く同じことを考えていた。

 

山本五十六がやって見せ、言って聞かせてさせてみせ、褒めてやらねば人は動かじ。

話し合い、耳を傾け承認し、任せてやらねば人は育たず。

と言っているのだが褒めるところもなければ出来もしないし話し合いにもならない、どうにもならないようなのもこの世には存在する。

じゃあそんなのどうしたらいいの?

高校生の僕なら愚図は死ね!と言って切って捨てただろうし、大学生の僕は諦観して距離を置いただろう。

 

で、自分の考える理想の王について言うならば、自分の大学時代の選択は大いなる過ちであったと認めざるを得ない。

それならまだもっと前の僕の方がよい。

虚無主義の暗君よりは無慈悲な暴君のほうがまだ僕はついて行こうと思えるからだ。

 

 

そんなこんなで部下がさっぱり成長しないまま三ヶ月ほど経った。

 

この打てど響かぬ感じはもう慣れたもので、今度も半分以上人を育てる仕事に関しては職務放棄していたところであった。

だからと言ってそのままでは数年経って何の成長もしていないと言うことになってしまう。

さりとて解決策も得られぬまま、時は流れていく。

 

最近生活の上で寄る必要があり、実家に度々帰っている。

今の親との距離感は実家で暮らしていた時より遥かにお互いにとってよい。

父母も実家の猫も僕の家内のことを気に入ってくれているし、会話にもなる(すなわち以前は会話にならなかった)。なにより、実家で暮らしていたころよりお互いにお互いの力になろうとする働きがある。

 

僕はふとした思いつきで、昼間から飲んだくれている耄碌した親父に尋ねてみた。

「人をどのようにして指導するのか」について。

酒がないと力が入らない親父は手を震わせながら、どうしようもない月並みなことを言い始めた。

 

「きつい言い方はしたらあかんのや」

「物腰は柔らかく、しかし言うべき時は言わなきゃいかん」

 

んなこと判っとるわい。もっと含蓄のあることは言えんのかと思っていたのだが、この言葉だけは響いた。

 

「こいつにならついていけると思われるような人間になることや。何だかんだと教えるのはその後で、それこそが前提条件や。」

 

それ自体は別段特別な内容というわけでもなく、自己啓発本やらで見ることが出来る内容かもしれない。

僕に何かを教える時、「ヘッタクソやなお前!」「力のない奴やのう!(怪力無双のかぜはくに向かって)」「全然やないか!」などと悪態をつく親父ではあるが、その平凡な言葉には社会人四十年の(今はニート!)確かな重みがあった。

 

霧中に行き当たった灯台、パズルの空いた部分にひとりでに収まるピースのような、そのような物が見えた。

あるいは暗雲の雲井に、ほんの僅かに顔を見せた悟りの明月の幽き光だ。

 

親父の平凡だが重みを持った言葉が、僕が来し方常に追い求めてきた王としてのあるべき姿――それに何が足りないのか――を明らかに照らした。

 

僕なら、自分のことをどうでもいい、どうにもならないゴミだと思っている相手にはついていかない。

まことに、まことに申し上げるのだがこの僕には生まれつき王としてのカリスマというものが備わっていて、それこそが自分を信じられる柱にもなっているのだが、それだけで付いてくる人間ばかりではない。

本音を言えば別にアホの相手はしたくないのだが、だがそれは僕の目指す自己実現とは反してしまう。

ムハンマドのようにあれと思う。

自分や自分の規範にしている何かがそれを望まないからという理由で、目的を達成する手段を狭めてはならないのだ。

 

僕が今までついて行きたいと思った人間は誰だ?と考えて、僕にとっての「家庭教師」である人物と偉大なる我が主上にすぐに思い至った。

彼女らが僕に向ける態度はどんなものであっただろうか?

なぜあの友人は僕の民がいないと言ったのか。

全てが一つの答えへと収束していった。

初体験のスポッチャでアイドルの顔面に薬剤を掛けて接吻未遂された話

台風21号が日本をズタズタにし、関西空港は日本から分断されて沈没した。

 

実の所かぜはくは、六日からフランス旅行の予定であった。

エールフランスの機内でシャンパーニュを嗜み、デッドプール2を見る計画であった。

ルーブル美術館を三日掛けて楽しみ、カタコンブ・ド・パリの髑髏に思いを馳せるつもりであった。

ビストロで食事とワインのマリアージュに舌づつみを打つ心づもりであったのだ。

 

しかしその目算は外れた!

かぜはくは結局家の中でルーブル美術館の図録を眺めながらグラスを傾ける生活を送るはめになった。

 

内容のない長期休暇が出来てしまったため、さて何をするかというフェイズに入り、では今日は体を動かすことにしようという流れになった。

 

そんなわけで我々は大阪はミナミにあるラウンドワン、スポッチャなるものにやってきたのであった。

 

実はこのかぜはく、スポッチャなるものをしたことがなかった。

インドアおたくなので家でゲームしてた方が上でしょと思っていたが、これが存外いいものであった。

 

そういうわけなので特によかったものを列挙ていく。

 

1.バッティングセンター

はニャんさんがバッセンと呼称していたので、かぜはくもそう呼ぶ。

「バッセンしようぜ」

かぜはくがそう言うと、じろーは

「は?(なんだこいつ)」

と答えた。どうも抜栓という意味で取られたらしい。そりゃ僕だっていついかなるタイミングで抜栓して酒キメてもいいと思うけど。

嫁に酒キチガイだと思われているが、あながち間違っていないので理解が深まっているなあと感動することになり、オールオッケーオールハッピーであった。

 

なんだかんだバッセンが一番面白い。

 

2.カラオケ

さーて人でも殺すかという心づもりでカラオケボックスに入って叫び続けていたら女児が部屋の前で順番待ちをしており、無垢なる命、汚す訳にはいかないという気持ちになり少し抑えた。

 

3.セグウェイ

おもしろい。セグウェイで通勤したい。

 

4.ゲーセン

ここ、今回の本題です(中身があるとは言っていない)。

ここにあるゲーセンの中身については型落ちの筐体が殆どであり、それでいて一昔前というほどではない絶妙に古い筐体が揃っていた。そして全てが無料だ。コンティニューも無料。

エアホッケーやらパックマンやらレースゲームやらガンシューティングやらダンレボやら諸々とあった。

ガンシューティングは面白いですね。

いやこれは宗教になったわけではなく宗教を打倒するための調査だからね。

男なら近接だよね。

 

さて。

ここに一つ非常に面白いゲームがあったので備忘録として、また誰かにこの面白さを共有したい気持ちであったので書くこととする。

 

あらかじめ言っておくが、面白いというのはゲームがということではない。ゲームはかぜはくネミテア向けのクソゲーだった。

 

「セーラーゾンビ 愛のワクチン弾で撃ち抜け!」

と暖簾にデカデカと書いており、

「おいなんだこれは禍々しいな。興奮してきたな」

「とにかく冷やかしてみよう」

ということになり、プレイした。

 

シートに着くとゲームが始まる。

一人でプレイするか、二人で協力してプレイするか選べる。

パーティプレイに越したことはない。

私達は迷いなく協力プレイを選んだ。

そしてディスプレイには幾人かの女性が現れ、そのうち一人から誰かをパートナーに選べるらしい。

少し前テレビでは常に出ていた、何KB何ティーエイトの面々である。

しかし残念ながら我々は彼女たちについて詳しく知らない。

そのため、一番前髪が好みに感じた一人を選び、銃で撃ち抜いた。

 

ゲームが始まる。

 

「お願い!この銃で私を打って!」

 

おやおや殺人教唆ですか。

よろしい。殺して進ぜよう。

 

バキューンバキューン

 

主人公の男性は女性を撃ち抜くことに躊躇っていたが、あいにくこのかぜはく、すんこくんには「息をするように命を奪う」「かぜはくさんが居るだけで命の価値が下がる」と言われるほどの人格者、彼女を苦しみから解き放つために引き金を引いた。

 

ところでこの主人公の声、エロアニメとかですごくよく聞いた覚えがある。

そのせいで話のないようが頭にあまり入って来ず、よく聞いた声だなあという気持ちになる。

 

女性の頭を撃ち抜いたのだが、彼女は直ぐに立ち上がり、「打ってくれてありがとう」などといかれた台詞を吐いてくる。

どうやらこの銃に装填されている弾丸はワクチン弾なるもので、ゾンビ化した人たちの症状を抑制する効果があるらしい。

 

彼女の名前はま○ゆさんらしい。

ああ、あなたがま○ゆさんですか。お噂はかねがね。そう言うひとが居るということを知っています。私はアニメAKB0048を見ましたからね。あなたロボなんでしょう。

 

主人公である我々とま○ゆさん以外は全てゾンビになってしまい、治すためには研究所に連れて行ってワクチンをぶち込みおねしょする必要があるらしい。

 

ゾンビまみれの街をま○ゆさんと駆け抜け、ゾンビがいたらワクチン弾をぶち込んで沈静化させる。

 

聞いた事のあるような人名がもろもろと出てくるのだが、我々は彼女たちについて詳しく知らない上にキャラクタのモデリングの区別がつかないため、ま○ゆさんが

「ゆうこ!わたしがわからないの?」

「みんな!目を覚まして!」

「あんにん!やめて!」

などと声を上げるのだが全員同じ顔のように見えるためとにかく打って打って撃ちまくる。

 

そうこうしていたらなぜか広場にアンプとなんか音をならすための機械がおもむろにおいてあり、ま○ゆさんがそれを操作するとゾンビたちは急に歌い、踊り始める。

 

「よくわからない」

 

我々はそう漏らした。

 

急に何KB何ティーエイトさんたちの楽曲を元にした音ゲーが始まり、悪戦苦闘の末クリアする。

 

この調子で踊ったり歌ったりしながら彼女らを研究所につれていけばいいらしい。

 

次の場所へと向かい始めると、何KB何ティーエイトさんたちとは別に何KB何ティーエイトおたくのみなさまたちもゾンビとなって襲いかかってくる。

ズタボロのぐちゃみそにしながら進むが、ボスのわんちゃんが出てきて私達は負けてしまった。

しかし我々はコンティニュー無料。いくらでもコンティニューするぜ。

 

「戻ってきてくれるって信じてた!」

ま○ゆさんは言う。

別に我々はおまえらを見捨ててバッセンに行ってもいいんだからな。感謝しろ。

 

なんとかボスを倒し、なんやかんやといい感じになり二度目の音ゲー

 

この辺りで集中力が乱れてきており、ミスを多発する。

 

更に進み、何KB何ティーエイトおたくのみなさんをえぐれめぐれにしながら進む。

うまくコンボが決まったりするとま○ゆさんが

「すごいすごい!」

「あなって天才!」

「今のすごーい!」

「やったー!」

「かっこいい!」

などと褒めちぎってくれる。ちぎりまくって千々に乱れてくれる。

このあたり、ファンのみなさまにはたまらんのかもしれん。

 

次のボスでは協力している相手と同じところを撃ち、力を合わせた絆パワーでボスを倒す必要があるのだが、本来想定されているプレイヤー層的にはプレイしているキモオタとキモオタの絆が上がるのかなと妙に感動してしまい、目頭を押さえた。

 

ここでもコンティニューを余儀なくされ(何回もコンティニューしてるんだけど)、ふとコンティニューボタン付近を見るとワンプレイ400えんと書いてあった。

 

 

このゲームクリアすんの下手すれば4000円とかかかるんじゃねえか?

 

かぜはくはぞっとした。

 

紆余曲折あってラストステージで何回目かのライブを終わらせ、やったーゲームクリアだまゆゆも接吻してくれるというところで実際はしてくれず、このゲームの一番面白かった所(ゾンビになったメンバーが手すりに座って滑ってくる)のことがつよく想起された。

 

いい加減長すぎる尺に膀胱が悲鳴を上げており、私達は筐体を後にした。

 

いやあ面白いゲームだった……。

 

 

かぜはくのテイスティングノート―ローヌの巨人編―


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はい。アドベンチャータイムは面白いですね。

面白いのが入ってきたので。

 

コート・デュ・ローヌ最強の作り手、ギガルです。

 

輝きのある深みのあるルビー。粘性はそれなりに強く、外見からは少し熟成の感もあるが、まだまだポテンシャルを感じる色合い。

 

一口飲んでみたところ全然開いておらず、香りもボケっとしてたので容赦なくダブルデキャンタージュ。

 

それだけで香りが素晴らしくなった。

ジャミーで熟したストロベリーやブラックカラント、ベリー系の香り。湿った土の香りがある。第一アロマが強く、第二アロマはそこまででもない。

 

舌の上に置くと、果実味が強く感じる。爽やかに酸味があり、緻密なタンニンがあってちょっとがっしりしている。

しかしローヌにはもっともっとがっしりしたゴリおじやゴリ姉貴たちが沢山いるので、ちょっと強いシラーズみたいな感じ。

つまり果実味が強く渋みが少なめ。

 

あとは余韻がちょっと長い。探さなくても香りが続くが、探した時にはかなりはっきりと感じられ、それが非常に魅力的な風味。

 

味わいにも余韻にも甘みが際立つ。

 

開いたあとのお味で2000円なら買いですね。

 ギガルは超強いので自社畑も持ってるけど、これはネゴシアンもの。つまりぶどう買い付けものですね。

それでこのクオリティならさすがギガルと言ったところか。

 

しかしなんならギガルのフラッグシップ、コート・ロティが飲みたいなー。

 

こいつはぽっと降って湧いたので早い者勝ちの中勝ち取ったのだが、次からは試験用のワイン飲まねばならぬ。

 

クーン。