かぜはく電脳曼荼羅

玄秘学、食文化、ゲーム、生と死に非常な関心があります。

私がモテてどうすんだ

を見ました。

根暗迷惑公害キモデブ腐臭ブサイク腐女子、芹沢ちゃんが深夜ホモアニメを実況しているとおもむろに担当が死んでしまい一週間寝込む結果となってしまいます。

見かねた家族はドアをぶち破り、芹沢ちゃんを社会復帰させることにしました。

するとどうでしょう。一週間たっぷり寝たことにより芹沢ちゃんになんらかの魔術的とでも言うべき効果が働き、激ヤセする結果となったのです。

それだけではありません。肉に埋もれていた目は顔面の三分の一を占めるほど大きくなり、眼鏡等の矯正も不必要に。盆地だった鼻は山脈地帯となりました。マスカラとグロスもパッシブで装備されています。豊満だった乳房はそのままに、腹部の脂肪は何処かへと消え、抜群のプロポーションと美貌を手に入れたのでした。

 

彼女にとってこれが悲劇の始まりでした。今まで完全な善意で接してくれていた男子はオスの顔になり、その体を舐め回すように見るようになります。敵愾心を持っていた後輩もちょっと顔がよくなっただけで手のひらを返し、デートに誘ってきます。

彼女は自らの分を越えてしまったのです。定められた彼女の分は、根暗迷惑公害キモデブ腐臭ブサイク腐女子として一生を終わらせることでした。たまに次元を問わず男の絡みを妄想して、デュフデュフ言うことが彼女の幸せであったはずなのに……。

 

いろいろあって因縁のあるイケメンたちとデートをすることとなりました。

映画を見たり(実際は映画がつまんなくて男の肩で寝る不良男子をガン見して)してました。

「全然つまんなかったですけど?」とか言いながら鼻水をズビズビ言わしてる後輩に眼鏡イケメンはポケティを渡して、「使いなよ」などと囁いておりました。「鼻水つらそうだし……

 

僕はうるせえな、飲めよそんなもんと思いました。

 

映画の帰りにシティのストリートをトゥギャザーウォーキングしていると、芹沢ちゃんはアニメイトで限定抱き枕が売り出されているのを発見し、矢も楯も堪らず突入してしまいます。抱き枕を手にした芹沢ちゃんはアニメイトの前で立ち尽くす男性陣に向かって一言、

 

「ごめんなさい、私オタクなの!」

 

何がごめんなさいなんですかね?僕の中で芹沢ちゃんを知るかバカうどん先生に引き渡した瞬間でした。

 

しらーっとなる男性陣の中でただ一人、六番の男(僕は彼の名前を覚えていません)は、

 

「何が問題なの?好きなことがあるっていいことだと思うけど」

 

この六番の男はよく出来た男だと思います。見た目が完全に変わってしまった芹沢ちゃんを一目で看破したり、彼女の人間性について偏見なく見ている男でした。彼女の趣味についても理解を示しているし、結果的に彼とくっつくのが芹沢ちゃんは一番幸せなるのではないかと思います。少なくとも誠実そうな仮面の下で女の子を取っかえひっかえしてそうな男や、アホ枠やその他のよく覚えてない奴らよりかは一等良い。

 

だからこそこの六番は、見せに来た地雷なのかもしれない。そんな出来た男が、人間的欠陥の一つも抱えていないなんてことがあるでしょうか?きっと仲が進展したら「実は僕は、デブだった芹沢さんが好きなんだ」とか「実は僕はホモなんだ。君には僕が他の男と絡むのを別室でモニタリングしてほしい」とか、「僕が全部してあげるからね。今オムツを変えてあげるからちょっとだけ我慢してね」とか言い出すに違いないのです。

 

それであっても、彼女の趣味を理解しない輩や、放らつな浮気もの、粗暴な人間、あとなんかよく覚えてないやつよりかはよいのではないかと思います。それこそが分であり、合わない人間と巡り合わされる不相応を考えたら、どんなにこの六番の男がマシであるかと思えるのです。

 

それはそれとして、芹沢ちゃんは知るかバカうどん先生にひどいことされてほしいです。

目の前で付き合いのあるイケメン男性がホームレスに汚いポジハメされるのを無理やり見せられたりしてほしい。瞬きは許されない。

 

あと腐女子仲間には「今まではお前がブサイクだから付き合うとったんじゃ!」って言われるみたいな。同性の友達には美人になったが故にハブられ、異性には美人になったが故に好色な目で見られてほしい。

 

あー面白かった。