かぜはく電脳曼荼羅

玄秘学、食文化、ゲーム、生と死に非常な関心があります。

ゼルダ無双の話 ミファーちゃんの話書いたらもう満足したわ黙示録

途中まで真面目にブログ書いてたんだけどミファーちゃんのこと書いたらもうまんぞくしちゃって筆が進まなくなっちゃってさ……。

クリアしたんですよ。ゼルダ無双

最終的に僕はこのゲームについては65点から70点だと思う。

 

最初の流れは本当によく、丁寧にストーリーメイキングをしていたのだが、後半になるにつれ急ぎ足になり、本来の実力をもって描けばエモエモのエモで完成させられたであろうものが、コロナとかで様々な要因が重なったとはいえ、不完全な状態で完成品としてしまったことについては、素直に残念な気持ちがあるばかりである。

 

ただ、最終的にリンクくんとミファーちゃんはくっつかず、隣に寄り添うだけだったことは大きく評価する。

 

気持ち程度にデスマウンテンの話を書いて締めくくりとしておこう。

 

デスマウンテンの中腹、ゴロンシティに暮らす民、ゴロン族。守りの力がすげえダルケルというおっさんを神獣ヴァ=ルーダニアの繰り手にすべく一行はデスマウンテンへと向かった。

 

デスマウンテンという名は実に普遍的な名である。

しかしながら、山という場所に死の属性を見出すのはアニミズム的発想が強いということが出来るだろう。

山という場所は人が死に非常に近い場所だと断言できる。

対象となる山の規模にもよるが、どのような山であっても、「死」の概念を一定以上に持っている。

それは、山という場所が人が暮らす通常の地域ではないことが一番の原因である。

たとえば、マッターホルンに単独無酸素で上って凍死したとか、ビキニで登山してたら凍死したとか、そういう話は想像に難くないだろう。

もっと言えば、通常の地域でないことは、言い換えれば異常な地域であるということが出来る。

本朝の例を挙げてみよう。

記紀を紐解けば、まず思い当たるのは黄泉の国と呼ばれる死者の住処についてである。

この「黄泉」という語について、漢語では地下の泉を意味するものである。諸説あるが、ヨミという大和言葉があって、それにこの黄泉という字を当てたものであるという説がある。この場合のヨミという言葉にもまた解釈が様々あるが、その中の一派として、これを「ヤマ」からの変化であるとする説がある。

また、古事記の舞台の一つである出雲地方には、まさに古事記に登場する黄泉平坂なる場所がある。この場合の坂という語にもまた解釈が様々あって、山の上り始めである坂とする説と、山と平地(ムラ)とのサカイであるとする説がある。なんにせよ、特に古事記では死者の国である黄泉の国を山の中に求めがちである。

 

日本仏教の話をしよう。日本仏教というのは、仏教伝来以前からあったとされる祖霊信仰の流れを取り入れた土着宗教であり、本来の仏教からはかなり変容したものとなっている。

浄土という思想があって、どういうものかというと宗教者が大体みんな考える宗教家の楽園みたいなところを指す。

煩悩や一切の穢れがなく、地獄がなくて、畜生もいないサイコーに清らかな国で仏とかが住んでてみんながハッピーに暮らしている。この世のどっかにあって、そこってすげえじゃんみたいな発想だ。

 

余談だが、僕ならパスポートが仏さんのポケットマネーで用意されて永住権くれるって言われても多分いかないだろうな。

だってそこには天女とかはいるらしいけど、煩悩とか一切のケガレがないならミファーちゃんみたいなヤベー女いなさそうだし、酒の肴に困るからさ……。

たまにはエゲツなく穢い人間も見ておかないと、人間としての幸福ってボヤけると思うのよね。

人々の煩悶とした苦しみがあるからこそ、僕は対比として幸せを実感できるし、煩悶それそのものが甘露として楽しみの一つでもあるからさ。

みんながみんなハッピーで幸せに暮らしている国は理想だと思うし、出来るなら僕もそういうものを作りたいと願っている。

でも、配信者の彼女になりたくて配信者をつい拉致監禁しちゃう子の話とか、いい年して配信者の正妻(?)を自認していて、ほかの誰にも配信者に近づいてほしくない子の話が読みたくなった時、どうすりゃいいのって話なんですよ。

多分浄土には僕が好きなタイプのフィクションは生まれ得ない(多分仏さんの思想からするとケガレ認定されるから)ので、僕はそんなとこに行きたくないです。

 

 

話を浄土に戻そう。

日本においてはこの浄土が山中の中にあると言い出した人たちがいた。密教系と浄土教系の人たちです。

「生」に重きを置いた密教系は、僕は単純に思想として尊敬できる数少ない日本仏教なのだが、「いかに死ぬか」に比重が傾いた浄土系は……。まあ美しいね。死に方の美学というのは。融通念仏とか踊念仏とかいうキワモノ念仏をやり始めるのも、面白い。

比叡山に寺を作りまくったり、仏教と日本古来の信仰とされる山岳信仰などが混ざって修験道なんかが発達する。この修験道の山伏たちは山の中で修行して悟りを開くのが目的なので、山の中でどうなろうがお構いなしだぜ!みたいな荒くれものの集団である。

この辺から、世界中に普遍的に存在する山への畏怖が、世界から取り入れられた宗教と本朝独自のプリミティブな原始宗教とが混ざり合い、信仰という形を持ってより「死」と密接になっていく。

 

つまり山の中というのは聖なる地であったり、死や臨死が横行する異界であるといえる。

このあたりは小泉八雲なども述べているところであるね。

山中異界という言葉が存在するように、デスマウンテンは日本中のいたるところに存在すると言っていいでしょう。

竹取物語』などで富士山が不老不死の薬を放棄する場所であったり(死なないことを否定する山=死の山)、9世紀に天台宗の開祖最澄の弟子が開いた霊場恐山の例などは、誰の耳にも知らぬ例ではないはずだ。

 

ここでの共通点を言えば、富士山も恐山も活火山ということが挙げられる。御嶽山なんかも活火山であり、こちらも修験道系の霊場となっている。

 

本朝の例においてまとめれば、山、とりわけ活火山というのは信仰の対象となってきたし、同時に死の概念に非常に近い存在であった。

 

申し訳程度に海外の例を挙げれば、古代から現在までオアシスとして存在し続けているエジプトのシワ・オアシスなどには(アサシンクリードで見ましたね?)、まさに死の山と呼ばれているネクロポリスがあるし、世界遺産であるトルコのパムッカレなどは同様にネクロポリスとして非常に有名である。

また、それ以上に有名なあの「王家の谷」はどこにあるか。

 

活火山を死の山とみる見方は、決して日本独自のものではないことを明記しておくが、そうであってもゼルダの伝説初期からあり続けるデスマウンテンというモチーフは、非常に日本人的死生観の影響が強い産物ということが出来るだろう。

 

じゃあそんなとこで暮らしてる奴らってなんなの?

人間じゃないですよ。

ゴロン族を見てください。ブレスオブザイワルドでも体中に火が付かないようにヤバい薬剤を塗りたくったり、対策をしないと消し炭になっちゃうような場所で平然と暮らしてる種族だ。

ゲーム内では描かれていないけど、ゴロン族って普通に平野の民からすると畏怖の対象だよな。

たまに人里に降りて商いしてるゴロン族とかもいるけど、基本的にはゴロンシティ(シティというのもおこがましいバラックの群れ)の中で暮らしていて、質朴で純粋な、乱暴な言い方をすればあまり知性を感じない民族だ。

この辺もいわゆる「山の民」に対する一種蔑視、一種神聖視のようなものに通ずるものを感じるね。

 

他の種族を見て下さい。ハイリア人はハイラルを支配する民族で、絢爛なハイラル城、文化的な村々、発達した技術を有している。

ゲルド族は過酷な環境に暮らしていながらも、環境に順応し、独自の文化を持っている。ハイリア人とも対等な関係を築いている。

ゾーラ族の里の美しいこと!

夜光石をちりばめた建物は夜の静寂にうっすらと煌めく幽玄な雰囲気があって、一種異様な美をたたえている。そしてそこに暮らすやべー女ミファーちゃんもいる。

リト族は焼いて食ったらうまそうだし、見た目がケモくてそういう性癖の人たちに刺さりそう(???)。

 

そんなわけでゴロン族ってちょっと異質な種族だと僕は思っている。

今時酋長政やってるし。

 

「ダルケル様は頼まれたら断らないのが信条だ。よろこんでやらせてもらうぜ」

絵にかいた豪傑みたいなふんどし一丁のおっさんダルケル。

へー。任天堂の株買ってくれねえかな。

しかし神獣はデスマウンテンの火口で魔物に囲まれて棒で殴られているらしく、火口まで行くことに。

 

ダルケルのことあんま使ったことないんですよ。

使用感は、なんというかモッサリしていますね。

石の斧をぶんまわしてイッチャホイチャできます。

ぶちかましまくってるとダルケルの暑苦しさで所かまわずマグマが湧いて出てくるので、そのマグマを活性化させて周りを大爆発みたいなことも出来る。

あとガードしてると完全ノーダメなのは強いな。

 

ステージをクリアするとリンクくんのことを急に相棒認定してくる。一緒に飯を食い、背中を預けるにふさわしい男だとか。

 

そして神獣モード。ヴァ・ルーダニアはトカゲさん型のメカなのだが、ヴァ・ルッタと操作は似たり寄ったりだ。

Rで溶岩弾を打ち出し、XRで範囲攻撃。Yでボギャー(通常攻撃)、Lでカウンターなのだが、このカウンター性能がちょっとゴミ。おててをちょっと前に出すだけで、相手の攻撃に合わせてタイミングよく出さないと無意味になる。ボギャーしてるときは無敵だからボギャーする方が上だな!

 

ダルケルは超乗り気なので二つ返事で繰り手になってくれる。

相棒認定したリンクくんにダルケルはごちそうしてくれるのだが、ゴロン族のごちそうは岩なので……。

文化的摩擦ってやつだね。

でもリンクくんは岩を前にしてもボリボリ食らいつくからすごいよな。

 

次行きましょう。

次はゲルド地方、Tipsを見ていると、ウルボザは亡きゼルダのお母さんの親友らしい。

おい!そんな超重要情報をサラッとTipsでいうやつがあるか!

 

ゼルダ一行がゲルドの町へ向かっていると、突如として覆面和装の集団に襲われる。なんとかやり過ごしてゲルドの町近郊まで歩を進めた一行だったが、今度はゲルド族にも命を狙われる。

敵方の司令官はウルボザ!

 

ブレスオブザワイルドでゼルダを「お姫いさま」と呼んで庇護し、慈しむようなまなざしで抱いていたウルボザとは思えないですね。

ゲルドの町まで突入し、族長の館にまで押し寄せるとウルボザ本人に刀を向けられる。

しかし「おいおい、死ぬわアイツ」というタイミングで助けに入ったのは刀からじゃんじゃん雷を飛ばす本物のウルボザであった。

偽ウルボザはガノンの走狗であり、シーカー族の別派閥、イーガ団の首領、「コーガ様」だったのだ!!!

 

このコーガ様、なんというかちゃらんぽらんなおっさんで適当に生きてんだけど、組織の長としての求心力(だけ)はめちゃくちゃあるらしく、部下に信奉されている。腹心の部下スッパにも心酔されており、クソマジメな部下とちゃらんぽらんなおっさんでカワイイ。

コーガ様もスッパのことを信頼して重用しており、ここの関係性、よい。

 

イーガ団を追っ払うためにモルドラジークを呼び出して蹴散らそうとするのだが、モルドラジークを呼び出した後はモルドラジークをおいといてイーガ団を相当しろというオーダーに変わるわけだが、ついでだしモルドラジークも倒しておいた。

宝石出してくれるしうまいぜ。

 

ウルボザはリンクくんと同じように片手剣と盾装備なので、盾ガードなども使えるし汎用性が高い。また、電撃ゲージを集めることで好き放題電撃を飛ばせるのでそれもまたよい。

家内はウルボザが使いやすいとのこと。僕はちょっと難しかったな。雷ゲージが切れたらその辺で充電しないといけないので、路地裏で盗電してる若者みたいになる。

 

 

いやまじでこのゲームについては完全版がDLCで出たらそれが一万円でも買うよ。

完全版の要件とは、

  • ミファーちゃんとリンクくんのエモイベント充実
  • 各キャラの掘り下げと装備の充実
  • 中盤以降のストーリー拡充
  • 結局誰が白いミルポワを遣わしたのか問題の解決
  • アストルがゲルドマーク背負ってる理由

などなど。

コロナで納期前に人員ごっそり足りなくなったみたいなのがありありと感じられて、これは惜しいの一言です。

株やってる場合じゃないよコーエーテクモ